高圧ケーブルの電線管ボンドアース接続：安全な施工方法と注意点
高圧ケーブルの電線管ボンドアース接続：安全な施工方法と注意点
この記事では、高圧ケーブルの電線管に接続するボンドアースに関する具体的な施工方法と、安全性を確保するための注意点について解説します。電気工事の専門家だけでなく、電気設備の安全管理に携わる方々にも役立つ情報を提供します。
高圧ケーブルの電線管に接続するボンドアースについて、以下の状況での施工方法について質問します。
ケーブルルートは、電気室→ハンドホール→埋設FEP管→PF管（露出）→可とう電線管（露出）→高圧ケーブル直接接続部収納用箱（ステンレス製）→可とう電線管（露出）→PF管（露出）→プルボックス→高圧ケーブル露出配線です。
高圧ケーブルの直接接続部分は3Mの樹脂で固めて絶縁物で覆うタイプで施工します。それを保護するためにステンレス製の大きい収納箱に入れます。
上記の場合、PF管が施工してあるので、以下のようなボンド接続が良いでしょうか？
- プルボックスとPF管の外側（金属部分を露出させて）とをIV線で接続
- 高圧ケーブル収納箱と可とう電線管の接続部分にアースリングを挟み込み、アースリングとPF管の外側（金属部分を露出させて）をIV線で接続
- 高圧ケーブル収納箱内でIV線を接続し、そのIV線の片方を高圧A種接地と接続する。
上記のような施工方法で良いでしょうか？
また、今回のような場合、ボンドアースは必ずA種接地と接続しないといけませんか？あるいは、高圧の隣に布設してある制御用ケーブルを入れてあるPF管と共通接地としても良いのでしょうか？
高圧ケーブル収納箱内での接続方法が3Mによる処理ではなく、箱内に接続用導体が用意してあってそこで、両端の高圧ケーブルをボルトナット止める様な方法で直接接続していれば、完全に高圧ケーブルのラインをA種接地としないとだめだとは思うのですが・・・・
詳しい方、回答願います。
ボンドアース施工の基本原則
高圧ケーブルの電線管におけるボンドアースの施工は、感電事故を防止し、電気設備の安全性を確保するために非常に重要です。適切な施工方法と、関連する法令や技術基準を遵守することが求められます。まず、ボンドアースの基本的な役割と、なぜそれが重要なのかを理解しておきましょう。
ボンドアースの役割
ボンドアースは、電線管やケーブル支持材などの金属部分に、万が一の漏電が発生した場合に、その電流を大地に逃がすための安全対策です。これにより、金属部分に触れた人が感電する危険性を大幅に低減できます。また、過電流による設備の損傷を防ぐ役割も担っています。
なぜボンドアースが必要なのか
高圧ケーブルは、高い電圧を扱うため、絶縁破壊による漏電のリスクが常に存在します。電線管や収納箱などの金属部分は、漏電が発生した場合に電位を持ち、人体に危険を及ぼす可能性があります。ボンドアースを適切に施工することで、これらの金属部分を接地し、安全を確保することができます。
具体的な施工方法の解説
ご質問にある、高圧ケーブルの電線管におけるボンドアースの具体的な施工方法について、それぞれの選択肢を詳しく解説し、最適な方法を提案します。
選択肢1：プルボックスとPF管の外側（金属部分を露出させて）とをIV線で接続
この方法は、プルボックスとPF管の金属部分を直接接続するため、比較的シンプルな施工方法です。しかし、PF管の金属部分が確実に接地されていることを確認する必要があります。PF管の接続部分や、PF管自体の状態によっては、十分な接地効果が得られない可能性があります。
注意点： PF管の金属部分が確実に接地されていることを確認するために、接地抵抗を測定し、適切な値であることを確認する必要があります。
選択肢2：高圧ケーブル収納箱と可とう電線管の接続部分にアースリングを挟み込み、アースリングとPF管の外側（金属部分を露出させて）をIV線で接続
この方法は、高圧ケーブル収納箱と可とう電線管の接続部分にアースリングを使用することで、確実な接地を確保しようとするものです。アースリングは、接続部分の接触抵抗を低減し、より確実な接地を可能にします。ただし、アースリングの選定や取り付け方法によっては、十分な効果が得られない場合もあります。
注意点： アースリングは、適切なサイズと材質のものを選定し、確実に接続する必要があります。また、接続部分の接触抵抗を測定し、適切な値であることを確認する必要があります。
選択肢3：高圧ケーブル収納箱内でIV線を接続し、そのIV線の片方を高圧A種接地と接続する。
この方法は、高圧ケーブル収納箱を直接A種接地と接続するため、最も確実な接地方法と言えます。A種接地は、高圧電気設備の安全を確保するために最も重要な接地方法であり、漏電電流を確実に大地に逃がすことができます。この方法を採用する場合、高圧ケーブル収納箱内の接続方法が重要になります。
注意点： 高圧ケーブル収納箱内の接続は、専門の技術者によって行われ、確実に接続されていることを確認する必要があります。また、A種接地の接地抵抗を測定し、適切な値であることを確認する必要があります。
最適な施工方法の選定
上記の選択肢を比較検討した結果、最も推奨されるのは、選択肢3：高圧ケーブル収納箱内でIV線を接続し、そのIV線の片方を高圧A種接地と接続する。 です。
その理由は以下の通りです。
- 確実な接地： A種接地は、高圧電気設備の安全を確保するために最も重要な接地方法であり、漏電電流を確実に大地に逃がすことができます。
- 安全性の向上： 高圧ケーブル収納箱を直接接地することで、万が一の漏電が発生した場合でも、安全に電位を大地に逃がすことができます。
- 法規制への適合： 電気設備の技術基準に適合し、安全性を確保できます。
ただし、高圧ケーブル収納箱内の接続方法によっては、A種接地との接続が難しい場合があります。その場合は、選択肢2のアースリングを使用する方法も検討できます。ただし、アースリングの選定や取り付け方法には注意が必要です。
その他の注意点
ボンドアースの施工にあたっては、以下の点にも注意が必要です。
1. 接地線の選定
接地線には、適切な太さのIV線を使用する必要があります。電線管やケーブルのサイズ、漏電電流の大きさに応じて、適切な太さの接地線を選定してください。接地線の太さが不足していると、漏電電流が流れきらず、感電事故の原因となる可能性があります。
2. 接続方法
接地線の接続は、確実に接続できる方法で行う必要があります。圧着端子やボルト締めなど、適切な接続方法を選定し、緩みがないように確実に締め付けてください。接続部分の接触抵抗が高いと、接地効果が低下する可能性があります。
3. 接地抵抗の測定
接地工事が完了したら、接地抵抗を測定し、適切な値であることを確認する必要があります。接地抵抗が規定値を超えている場合は、接地工事のやり直しが必要です。接地抵抗の測定は、専門の測定器を使用して行いましょう。
4. 定期的な点検
ボンドアースは、定期的に点検する必要があります。接続部分の緩みや腐食、接地線の断線などがないかを確認し、異常があれば適切な処置を行ってください。定期的な点検は、電気設備の安全を維持するために不可欠です。
5. 法令・技術基準の遵守
電気工事を行う際は、電気設備に関する法令や技術基準を遵守する必要があります。電気工事士の資格を持つ専門家が、適切な施工を行い、安全性を確保してください。
高圧ケーブルの隣に布設してある制御用ケーブルとの共通接地について
ご質問にある、高圧の隣に布設してある制御用ケーブルを入れてあるPF管と共通接地としても良いのか、という点について解説します。
原則として、高圧ケーブルと制御用ケーブルの接地を共通にすることは避けるべきです。その理由は以下の通りです。
- 誘導障害： 高圧ケーブルに異常電流が流れた場合、制御用ケーブルに誘導電流が発生し、制御回路に誤動作を引き起こす可能性があります。
- 安全性の低下： 制御用ケーブルの絶縁が劣化している場合、高圧ケーブルの接地を通じて高電圧が伝わり、感電事故の原因となる可能性があります。
- 法規制への抵触： 電気設備の技術基準では、高圧ケーブルと制御用ケーブルの接地を分離することが推奨されています。
ただし、特別な事情がある場合は、例外的に共通接地が認められることもあります。その場合は、専門家と相談し、適切な対策を講じる必要があります。
高圧ケーブル収納箱内での接続方法について
高圧ケーブル収納箱内での接続方法が、3Mによる処理ではなく、箱内に接続用導体が用意してあってそこで、両端の高圧ケーブルをボルトナット止める様な方法で直接接続している場合について解説します。
この場合、高圧ケーブルのラインをA種接地と接続することは必須です。その理由は、以下の通りです。
- 確実な接地： 接続用導体を使用することで、高圧ケーブルの金属シールドや外被を確実に接地することができます。
- 安全性の確保： 万が一、ケーブルに異常が発生した場合でも、漏電電流を確実に大地に逃がし、感電事故を防止することができます。
- 法規制への適合： 電気設備の技術基準では、高圧ケーブルの金属シールドや外被をA種接地と接続することが義務付けられています。
高圧ケーブル収納箱内での接続方法が、3Mによる処理の場合でも、A種接地との接続は推奨されます。3Mによる処理は、絶縁を強化するためのものであり、接地を代替するものではありません。
まとめ
高圧ケーブルの電線管におけるボンドアースの施工は、電気設備の安全性を確保するために非常に重要です。適切な施工方法を選択し、関連する法令や技術基準を遵守することが求められます。今回のケースでは、高圧ケーブル収納箱を直接A種接地と接続する方法が最も推奨されます。また、高圧ケーブルと制御用ケーブルの接地を共通にすることは避け、専門家と相談の上、適切な対策を講じるようにしてください。
電気工事は、専門的な知識と技術を要する作業です。安全を最優先に考え、電気工事士の資格を持つ専門家にご相談ください。
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専門家への相談
電気工事に関する疑問や不安がある場合は、専門家への相談を検討しましょう。専門家は、豊富な知識と経験に基づき、適切なアドバイスを提供してくれます。また、安全な施工を行うためのサポートもしてくれます。
専門家への相談は、電気設備の安全性を確保するために非常に重要です。安心して電気設備を使用するためにも、積極的に相談しましょう。
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