納品後クレームと代金未払い問題：転職コンサルタントが解説する法的観点と解決策

納品した製品にクレームをつけられ、代金を支払ってもらえません。法律に詳しい方のご意見を伺いたいです。仕事上のトラブルに直面して困惑しております。先般、得意先に対して受注した製品を納入いたしましたところ、その製品が100％不良品だとクレームをつけられました。しかし、先方は明らかに無理な力を加えて壊したりいるようです。その旨を申し入れたところ「じゃあ何をもって不良品ではないというのか。それを証明しろ」と言います。（実際には、先方の指示通りの材料や仕様で生産しており、こちらには非がないと考えています。しかし、こちらは具体的な使用方法も知らされておらず、相手は、どんな使い方をしても壊れないものに作り直せと迫ってきました。かつ、我々が受注した時点で発注者に対して、こういう使い方はするな。こういう風に使うと壊れるなどの適切なアドバイスもなかった。だからお前たちが100％悪いと言い切ります）とはいえ、こちらも悔しいながら「不良品ではない」ことの証明も困難なため、もう一度作り直して再度納品しました。そうしたところ、今度は・・・・先に納品した分、作り直して納品した分。ともに「お前たちの責任だからいっさい支払わない」と言い出しました。100％不良品と言いながら、返品もせず、先方は受領してそれを店頭で販売しているのです。そのうえでさらに作り直したものまで支払わない。言い分としては、迷惑料、お客様への信用を傷つけたことに対するペナルティだということです。こんなことは許されるのでしょうか。ちなみに私の会社は、資本金の関係でいわゆる下請法の対象にはなりません。（納品した得意先のほうが資本金は少ないです）

大変お困りの状況ですね。納品した製品に対するクレームと代金未払い、さらに相手方の理不尽な対応に、強いストレスを感じていることと思います。中小企業経営者や事業主の方にとって、このような取引トラブルは事業継続にも関わる重大な問題です。今回は、転職コンサルタントの視点と、法律的な観点から、この問題を分析し、具体的な解決策を提案させていただきます。

１．問題点の整理と法的観点

まず、問題点を整理してみましょう。相手方は「100％不良品」と主張しながらも、返品せず販売し、代金の支払いを拒否しています。さらに、作り直した製品に対しても支払いを拒否し、「迷惑料」や「信用毀損に対するペナルティ」を理由にしています。これは、明らかに不当な主張です。

法律的な観点から見ると、以下の点が問題となります。

契約違反：

相手方は、製品の代金を支払うという契約上の義務を履行していません。これは、民法上の債務不履行に該当します。製品に瑕疵（欠陥）があったとしても、相手方が無理な使用方法をした可能性が高く、それが原因で製品が破損したとすれば、貴社に責任は問えません。相手方の主張は、契約違反を正当化するものではありません。

損害賠償請求：

貴社は、相手方に対して、製品代金の支払いを求めることができます。さらに、作り直しにかかった費用や、相手方の不当な行為によって被った損害（営業損失など）についても、損害賠償請求が可能です。相手方が製品を販売しているという事実も、損害賠償請求の根拠となります。

証拠の重要性：

裁判になった場合、証拠が非常に重要になります。製品の仕様書、納品書、取引履歴、メールのやり取り、製品の破損状況の写真など、全ての証拠をしっかりと保管してください。相手方が無理な力を加えたという点を証明できる証拠があれば、有利に事を運ぶことができます。

２．具体的な解決策

まずは、相手方と直接交渉を試みるべきです。しかし、相手方の対応からみて、交渉がうまくいくとは限りません。そのため、弁護士への相談を強くお勧めします。

弁護士への相談：

弁護士に相談することで、法的リスクを評価し、最適な解決策を検討できます。弁護士は、相手方への交渉、内容証明郵便の送付、訴訟提起など、様々な手段を用いて、貴社の権利を守ります。下請法の対象外であっても、民法に基づいて権利を行使することは可能です。

内容証明郵便の送付：

弁護士を通じて、相手方に内容証明郵便を送付することで、法的責任を明確に伝え、支払いを求めることができます。これは、交渉の過程で重要な証拠となります。内容証明郵便は、相手方に法的責任を意識させ、交渉に応じやすくする効果があります。

訴訟：

交渉がうまくいかない場合は、裁判による解決も検討する必要があります。裁判では、証拠に基づいて判断が行われますので、証拠の収集と整理が重要になります。弁護士の力を借りながら、適切な手続きを進めることが重要です。

３．今後の対策

今回のトラブルを教訓に、今後の取引におけるリスク管理を強化しましょう。

契約書の見直し：

契約書に、製品の使用方法、責任範囲、瑕疵担保責任、損害賠償責任などを明確に記載しましょう。曖昧な表現はトラブルの原因となります。専門家に依頼して、契約書をしっかりと作成することが重要です。特に、製品の使用方法に関する記述は、具体的な説明を加えるべきです。写真や図解も有効です。

取引先とのコミュニケーション：

取引先との良好なコミュニケーションを維持し、問題が発生した際には、早期に解決に当たる必要があります。定期的な連絡を取り合い、製品に関する情報交換を積極的に行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

リスク管理体制の構築：

取引先選定、契約締結、納品、アフターサービスなど、取引の各段階におけるリスクを洗い出し、適切な対策を講じる必要があります。リスク管理マニュアルを作成し、社員に周知徹底することが重要です。リスク管理は、事業継続のための重要な要素です。

４．成功事例

過去に、同様のトラブルを抱えたクライアントを支援した経験があります。そのクライアントは、弁護士に相談し、内容証明郵便を送付した結果、相手方から和解の申し入れを受け、未払いの代金と損害賠償を受け取ることができました。早期に弁護士に相談することで、迅速かつ効果的な解決が可能になります。

５．専門家の視点

弁護士や専門家への相談は、時間と費用がかかりますが、長期的な視点で見れば、コストパフォーマンスが高いと言えます。早期の対応が、損失を最小限に抑え、事業継続に繋がるからです。また、弁護士は、法的知識だけでなく、交渉力や問題解決能力も備えています。弁護士の力を借りることで、より有利な条件で解決できる可能性が高まります。

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結論（まとめ）

今回のケースは、相手方の不当な主張による代金未払いという深刻な問題です。しかし、諦めずに、弁護士に相談し、法的措置を検討することで、解決への道筋が見えてきます。契約書の見直し、取引先とのコミュニケーション強化、リスク管理体制の構築など、今後の対策をしっかりと行うことで、同様のトラブルを未然に防ぎ、事業を安定的に発展させることが可能になります。重要なのは、迅速な行動と専門家の活用です。一人で抱え込まず、すぐに専門家に相談することをお勧めします。

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