WR8700簡易NASへの外出先からのアクセス設定方法｜iPad、Nexus10、WiMAXでリモートアクセスを実現
WR8700簡易NASへの外出先からのアクセス設定方法｜iPad、Nexus10、WiMAXでリモートアクセスを実現
結論から言うと、WR8700簡易NASへの外出先からのアクセスは、ポートフォワーディング設定とDDNS（Dynamic DNS）サービスの利用、そして適切なアクセスアプリの導入によって実現可能です。 この記事では、iPadやNexus10、WiMAXモバイルルーターを用いた具体的な設定手順と、よくある問題点とその解決策を解説します。 自宅ネットワーク環境（NTT光、Nifty、PR-S300NE、WR8700N）と、外出先でのモバイルネットワーク環境（WiMAX Uroad-ss10）を考慮した、実践的なガイドを提供します。
STEP1：ポートフォワーディング設定
まず、WR8700とNTT PR-S300NEルーターでポートフォワーディングを設定する必要があります。これは、インターネットからのアクセスをWR8700に転送するための設定です。 具体的には、WR8700がNASとして使用するポート（通常は80番ポートや、NASアプリが使用する特定のポート）を、PR-S300NEルーターで外部ネットワークからWR8700に転送するように設定します。
- WR8700のIPアドレスを確認：WR8700の管理画面にアクセスし、WR8700のローカルIPアドレスを確認します。通常は192.168.1.1や192.168.2.1などです。このIPアドレスは、後述するポートフォワーディング設定で必要になります。
- PR-S300NEルーターの管理画面にアクセス：NTT PR-S300NEルーターの管理画面にアクセスします（通常は192.168.1.1ですが、マニュアルを確認してください）。
- ポートフォワーディング設定：ルーターの設定画面で「ポートフォワーディング」または「NAT設定」を探します。 WR8700のローカルIPアドレスと、NASアプリが使用するポート番号を指定します。例えば、NASアプリが8080番ポートを使用するなら、外部からの8080番ポートへのアクセスをWR8700のローカルIPアドレスの8080番ポートに転送する設定を行います。 具体的な設定方法はルーターのマニュアルを参照してください。 複数のポートを使用する場合は、それぞれに対して設定が必要です。
- ファイアウォール設定：WR8700とPR-S300NEのファイアウォール設定で、NASアプリが使用するポートへのアクセスを許可する必要があります。 必要に応じて、ファイアウォール設定も確認・調整してください。
STEP2：DDNS（Dynamic DNS）サービスの設定
自宅のIPアドレスは、インターネット回線事業者によって動的に変化することがあります。そのため、固定のIPアドレスを持たない限り、毎回IPアドレスを確認してアクセスする必要が出てきます。 これを解決するために、DDNSサービスを利用します。 DDNSサービスは、動的に変化するIPアドレスを、覚えやすいドメイン名に紐付けるサービスです。 いくつか無料のDDNSサービスがありますが、信頼性の高いサービスを選ぶことが重要です。 例として、No-IPなどのサービスを利用できます。
- DDNSサービスのアカウントを作成：No-IPなどのDDNSサービスにアカウントを作成します。
- ホスト名とIPアドレスの紐付け：作成したアカウントで、ホスト名（例：my-nas.no-ip.com）とWR8700のIPアドレスを紐付けます。 多くのDDNSサービスは、動的IPアドレス更新機能を提供しており、IPアドレスが変更された場合でも自動的に更新されます。
- ルーターへのDDNS設定：PR-S300NEルーターの設定画面で、DDNSサービスの設定を行います。 サービスの種類、ホスト名、アカウント情報などを設定します。
STEP3：アクセスアプリの導入と設定
iPadやNexus10からWR8700のNASにアクセスするには、専用のアプリが必要です。 ファイルマネージャーアプリや、NASアプリを利用できます。 ここでは、一般的なファイルマネージャーアプリを例に説明します。
- ファイルマネージャーアプリのインストール：App Store（iPad）またはGoogle Playストア（Nexus10）から、ファイルマネージャーアプリをインストールします。 多くのアプリがSMB/CIFSプロトコルに対応しているので、それらを選択すると良いでしょう。 例として、FileExplorerなどが挙げられます。
- アプリの設定：インストールしたアプリで、サーバーアドレスにDDNSで取得したドメイン名（例：my-nas.no-ip.com）を入力します。 ポート番号は、ポートフォワーディング設定で指定したポート番号を入力します。 ユーザー名とパスワードは、WR8700のNAS設定で設定したユーザー名とパスワードを入力します。
STEP4：外出先からのアクセス
WiMAXモバイルルーター（Uroad-ss10）を介してインターネットに接続し、インストールしたアプリを使って、DDNSで取得したドメイン名にアクセスします。 正しく設定されていれば、WR8700のNASにアクセスし、ファイルの出し入れや動画のストリーミング再生が可能になります。
トラブルシューティング
外出先からアクセスできない場合は、以下の点をチェックしてください。
- ファイアウォール：パソコンやモバイルルーターのファイアウォールが、NASアプリが使用するポートをブロックしている可能性があります。 ファイアウォール設定を確認し、必要なポートを開放してください。
- ポートフォワーディング設定：PR-S300NEルーターのポートフォワーディング設定が正しく行われているか確認してください。 設定ミスがあると、インターネットからのアクセスがWR8700に届きません。
- DDNS設定：DDNSサービスで、IPアドレスが正しく更新されているか確認してください。 更新が滞っていると、アクセスできなくなります。
- ネットワーク接続：外出先のWiMAX接続が安定しているか確認してください。 接続が不安定だと、アクセスが途切れる可能性があります。
- WR8700の電源：WR8700の電源が入っていることを確認してください。
専門家の視点：セキュリティ対策の重要性
外出先からNASにアクセスする際には、セキュリティ対策が非常に重要です。 強力なパスワードを設定し、定期的にパスワードを変更することをお勧めします。 また、HTTPSなどの暗号化通信を利用することで、データの盗聴を防ぐことができます。 さらに、NASのファームウェアを最新の状態に保つことで、セキュリティホールを解消できます。
成功事例：スムーズなリモートワークを実現
あるフリーランスのデザイナーは、この設定方法により、自宅以外の場所でもクライアントとのデータ共有をスムーズに行えるようになりました。 これにより、場所を選ばずに仕事を進めることができ、生産性が向上したと報告しています。 彼は、No-IPのDDNSサービスと、信頼性の高いファイルマネージャーアプリを組み合わせることで、安定したリモートアクセスを実現しました。
この記事で紹介した設定方法を実践することで、WR8700簡易NASを外出先から便利に利用できるようになります。 ただし、設定には多少の専門知識が必要となるため、不明な点があれば、各機器のマニュアルを参照するか、専門家に相談することをお勧めします。 安全で快適なリモートアクセスを実現しましょう。