EV充電対応！CD管内VVFケーブルの交換方法｜電気工事士向け実践ガイド
EV充電対応！CD管内VVFケーブルの交換方法｜電気工事士向け実践ガイド
EV車の普及に伴い、自宅への充電設備の増設を検討されている電気工事士の方も多いのではないでしょうか。この記事では、既設のCD管からVVFケーブルを引き抜く、または新たなケーブルを通す方法について、具体的な手順と注意点、そして専門家のアドバイスを交えて解説します。 既存の1.6mm² 2P VVFケーブルを2.6mm² 2P VVFケーブルに交換する際の課題と解決策をステップごとに解説します。 電気工事士の資格をお持ちの方、DIYで電気工事を行いたい方にとって役立つ情報が満載です。
１．1.6mm² 2P VVFケーブルの引き抜き：可能か？そして最適な方法
まず、1.6mm² 2P VVFケーブルを手作業で引き抜くのは、非常に困難です。10年間埋設されているため、ケーブルとCD管の間に摩擦が生じ、固着している可能性が高いです。 無理に引っ張ると、ケーブルの断線やCD管の破損につながるリスクがあります。 そのため、いきなり引っ張ることは避けてください。
では、どのようにすれば引き抜けるのでしょうか？ いくつか方法があります。
- 潤滑剤の使用： CD管内にシリコンスプレーなどの潤滑剤を注入します。 数時間置いてから、ゆっくりとケーブルを引っ張ってみましょう。 この方法は、ケーブルとCD管の摩擦を軽減し、引き抜きを容易にする効果があります。 スプレータイプの潤滑剤を使用する際は、CD管の両端から吹き付け、均一に潤滑剤を塗布することが重要です。 また、可燃性の潤滑剤は使用を避け、換気を十分に行ってください。
- ワイヤーの併用： ケーブルの先端に、細くて丈夫なワイヤー（例：ピアノ線）をしっかりと結びつけます。 ワイヤーを引っ張ることで、ケーブルへの負担を軽減し、スムーズに引き抜くことができます。 この際、ワイヤーがケーブルに食い込んで傷つけないように注意が必要です。 ワイヤーの太さは、ケーブルの太さやCD管の状況に合わせて調整しましょう。 細いワイヤーの方が、曲がりくねったCD管内でも通りやすく、効果的です。
- 電動ウインチの使用： ケーブルが非常に固着している場合、電動ウインチを使用することも検討しましょう。 電動ウインチを使用する際は、ケーブルに過剰な力がかからないように注意し、安全に作業を行うことが重要です。 専門家の指導を受けることをお勧めします。
これらの方法を試しても引き抜けない場合は、残念ながらケーブルを切断する必要があるかもしれません。 この場合、新しいケーブルを通す際に、切断したケーブルの残骸が邪魔にならないように、適切な処理が必要です。
２．1.6mm²ケーブルと2.6mm²ケーブルの接続：良い方法とは？
仮に1.6mm²ケーブルを引き抜けたとしても、そのまま2.6mm²ケーブルを接続して引っ張ることはお勧めしません。 1.6mm²ケーブルは、経年劣化により断線している可能性があります。 無理に引っ張ると、接続部が破損するリスクがあります。
最善の方法は、1.6mm²ケーブルを完全に引き抜き、新しい2.6mm²ケーブルを改めて通線ワイヤーを使って通すことです。 これにより、安全かつ確実に作業を進めることができます。 通線ワイヤーは、CD管の曲がりにも対応できる柔軟性と強度を持つものを選びましょう。 また、通線ワイヤーの先端には、ケーブルを引っ掛けるためのフックを取り付けることをお勧めします。
３．ケーブル追加：既存ケーブルが引き抜けない場合の対処法
1.6mm²ケーブルが引き抜けない場合、2.6mm²ケーブルを追加で通すことも可能です。 この場合、「追加配線」という工法になります。 既存のケーブルに影響を与えずに、新しいケーブルをCD管内に通す必要があります。
具体的な手順は以下の通りです。
- 通線ワイヤーの準備： CD管の曲がり具合を考慮し、適切な長さ・太さの通線ワイヤーを用意します。 柔軟性のあるワイヤーがおすすめです。
- ワイヤーの挿入： 通線ワイヤーをCD管の一端から挿入し、反対端まで通します。 この際、ワイヤーが引っかかったり、曲がったりしないように注意深く作業を進める必要があります。 必要に応じて、潤滑剤を使用しましょう。
- ケーブルの接続： 通線ワイヤーの先端に、2.6mm²ケーブルをしっかりと固定します。 この際、接続部がしっかり固定されていることを確認しましょう。
- ケーブルの引き込み： 通線ワイヤーをゆっくりと引き込み、2.6mm²ケーブルをCD管内に通します。 この際、ケーブルがCD管内で傷つかないように注意が必要です。
- 接続と確認： 配電盤側とコンセント側で、適切に接続し、絶縁処理を施します。 最後に、導通試験を行い、正常に動作することを確認しましょう。
追加配線を行う際には、適切なケーブルの選定が重要です。 EV充電器の容量や電流値を考慮し、適切な太さのケーブルを選択しましょう。 また、安全確保のため、作業中は必ずブレーカーを遮断し、感電事故を防ぎましょう。
４．専門家のアドバイスと成功事例
長年の経験を持つベテラン電気工事士のA氏によると、「CD管内のケーブル引き抜きは、経験と技術が求められる作業です。無理に作業を進めると、ケーブルの損傷やCD管の破損につながる可能性があります。 困難な場合は、専門業者に依頼することをお勧めします。」とのことです。
また、B社では、同様の作業で、潤滑剤と電動ウインチを併用することで、スムーズにケーブルの交換を完了した事例があります。 ただし、作業前に綿密な計画と安全確認を行うことが重要です。 特に、電動ウインチの使用は、専門知識と経験が不可欠です。
５．まとめ：安全第一で作業を進めましょう
この記事では、既設のCD管からVVFケーブルを引き抜き、または追加でケーブルを通す方法について解説しました。 作業を行う際には、安全を第一に考え、無理をせず、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることが重要です。 電気工事は、資格を持つ者のみが行うべきであり、安全に配慮した作業を心がけてください。 この記事が、皆様のEV充電設備の増設に役立つことを願っています。
免責事項：この記事は情報提供を目的としており、電気工事に関する専門的なアドバイスではありません。 電気工事は危険を伴うため、必ず資格を有する電気工事士が安全に配慮して作業を行うようにしてください。 作業に際して発生した損害等につきましては、一切責任を負いかねます。