システム会社との裁判と賠償請求…SE・PGとして、どうすればよかったのか？

以前勤めていたシステム会社が、残業代請求の腹いせに損害賠償請求の裁判を起こしてきました。教えて下さい。業務システム構築のSE・PGをしていました。当時2名で担当していた案件があり、納期に間に合わず、２か月の猶予をもらいました。ひと月経つかという頃、営業担当の取締役が得意先を怒らせたらしく、完全な形でないにしろ、１週間後にある程度のものを納品しないと、解約する、と言われ、すさまじい残業をして、納品にこぎつけました。一時はOKが出たんですが、何があったのか数日後、わび状を持って謝りに来いと、得意先からFAXがきました。会社は、担当者である私たちの名前を上げ、私たちに謝罪してこい、といいました。他の案件も担当させられていて、その得意先には２つの案件を持っていることを隠しながら、必死でやっていたにも関わらず、その言いように、最後までその案件は受け持つので、終わり次第退職させてくれ、と申しでました。すると、もう信用できないから担当からはずす、と言われ、その案件には関われないようになりました。退職後、会社のあまりの対応に労働基準監督署に申し出ました。健康診断もなし、残業が月平均で70時間ありましたが、一切残業代は支払われておらず、月給10万円で勤務していた社員もいましたので。。。すると、是正には残業代を個人的に請求するしかない、と言われ、その通りにしたのですが、会社側の誠意のなさに、ついには裁判を起こすことになりました。その裁判の答弁に、賠償問題になっている案件の責任は私たちにあるので、訴訟を起こす、とありました。内容は上記の案件の責任が私たちにあるので賠償しろ、ということです。納期に間に合わなかった、というのは確かですが、２か月のばしてもらったので、間に合わせるつもりで仕事をしていましたし、実際あと少し、というところでした。退職の意思を伝えた時、裏切り者呼ばわりされ、怒りにまかせて引き継ぎもしないで、いきなり担当を替えて、うまくいくわけがない、と思っていましたが、やはり賠償問題になったようです。その責任は私たちにある、と言ってきました。こういうことはめったにないかと思いますが、私たちに非があり、賠償することになるのでしょうか？得意先にはすべて私たちのせいだ、と言われていると思います。

この質問は、システムエンジニア（SE）やプログラマー（PG）として、残業代未払いや不当な責任転嫁といった問題に直面し、会社から損害賠償請求をされたという、非常に深刻な状況にある相談者からのものです。本記事では、このケースを元に、IT業界で働くSE・PGの方々が直面する可能性のあるリスクと、適切な対応策を、弁護士の視点も交えながら解説します。特に、残業代の請求、労働条件の悪さ、そして不当な責任転嫁といった問題に焦点を当て、具体的な解決策を探ります。

１．残業代未払いと労働条件の悪さ：違法性の有無

まず、ご相談内容における残業代の未払い、月給10万円という低賃金、健康診断の実施がないことなどは、労働基準法違反の可能性が非常に高いです。労働基準法は、労働者の権利保護を目的とした法律であり、残業代の未払い、不当な低賃金、健康診断の実施義務違反などは、明確な違法行為です。これらの違法行為は、会社側の重大な過失であり、損害賠償請求の根拠にもなり得ます。

具体的な対応として、労働基準監督署への相談は既にされているとのことですが、その結果を踏まえ、弁護士に相談することを強くお勧めします。弁護士は、労働基準法に基づいた適切なアドバイスを行い、会社との交渉や裁判における代理人として活動してくれます。証拠となる資料（給与明細、勤務記録、メールなど）は、全て保管しておきましょう。

２．プロジェクトの遅延と責任の所在：客観的な評価が重要

プロジェクトの遅延に関して、会社側は「責任はあなた方にある」と主張していますが、これは必ずしも真実とは限りません。プロジェクトの遅延には、様々な要因が考えられます。例えば、

不十分な要件定義：顧客からの要件が曖昧であったり、変更が頻繁にあった場合
人員不足：担当者が少なすぎる、またはスキルが不足している場合
経営判断のミス：営業担当の取締役による顧客対応の失敗など

などが挙げられます。これらの要因を客観的に評価し、遅延の責任の所在を明確にする必要があります。２ヶ月の猶予が与えられていたこと、そして納期間際に至るまで作業を進めていたという事実も、重要な証拠となります。

具体的な対応として、プロジェクトの進捗状況を記録した資料（日報、進捗報告書など）、顧客とのやり取りの記録（メール、FAXなど）を証拠として提示することで、会社側の主張を反論できます。弁護士にこれらの証拠を精査してもらい、客観的な評価を得ることが重要です。

３．退職と引き継ぎ：会社側の責任

退職の意思を伝えた際に、会社から「裏切り者」呼ばわりされたこと、そして引き継ぎをせずに担当を交代されたことは、会社側の不当な行為です。引き継ぎは、円滑な業務遂行のために不可欠であり、会社は従業員に対して適切な引き継ぎの機会を提供する義務があります。会社が一方的に担当を交代し、プロジェクトが失敗に終わったとしても、その責任は会社側にあります。

具体的な対応として、退職時の状況を記録した資料（メール、証人など）を証拠として提示することで、会社側の責任を明確にできます。弁護士は、これらの証拠に基づき、会社側の不当な行為を主張し、損害賠償請求を退けるための戦略を立てます。

４．裁判における戦略：弁護士との連携が不可欠

裁判においては、弁護士との連携が不可欠です。弁護士は、法律的な知識と経験に基づき、最適な戦略を立案し、裁判を有利に進めるためのサポートを行います。特に、今回のケースのように複雑な事情がある場合は、弁護士の専門的なアドバイスが不可欠です。

具体的な対応として、まずは信頼できる弁護士に相談し、今後の戦略について話し合うことが重要です。弁護士は、証拠の収集、証人尋問、裁判書類の作成など、裁判に必要なあらゆる手続きをサポートします。

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５．今後のキャリア：新たなスタートに向けて

今回の経験は、非常に辛いものだったと思いますが、決して無駄ではありません。この経験を糧に、今後のキャリアプランを再考し、より良い環境で働くことを目指しましょう。転職活動においては、自分のスキルや経験を客観的に評価し、自分に合った企業を選ぶことが重要です。また、労働条件をよく確認し、不当な扱いを受けないよう注意しましょう。

まとめ

システム会社との裁判は、非常に困難な状況ですが、諦める必要はありません。弁護士に相談し、適切な対応を取ることで、会社側の責任を明らかにし、損害賠償請求を退ける可能性があります。また、この経験を活かし、今後のキャリアプランを再考し、より良い環境で働くことを目指しましょう。労働条件の確認や、自分の権利を守るための知識を身につけることも重要です。

最後に、改めて、弁護士への相談を強くお勧めします。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが、解決への近道です。

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