労働時間、賃金、有給休暇に関する労働基準法違反の疑い
労働時間、賃金、有給休暇に関する労働基準法違反の疑い
ご質問ありがとうございます。朝7時～夜7時までの勤務時間、休憩時間1時間、日当9000円（固定残業代2000円含む）、有給休暇なし、という現状と、契約書に「有給あり」と記載されているにもかかわらず、有給取得を希望すると給料を下げられるという状況は、労働基準法に抵触する可能性が非常に高いです。詳しく見ていきましょう。
1. 労働時間と休憩時間
まず、労働時間は1日8時間以内、週40時間以内が原則です（労働基準法第32条）。あなたの勤務時間は12時間ですが、休憩時間1時間を差し引いても11時間となり、大幅に労働基準法の規定を超えています。これは、違法な長時間労働に該当する可能性が高いです。
また、休憩時間についても、労働時間6時間以上であれば、少なくとも45分の休憩が必要です（労働基準法第61条）。1時間の休憩は規定を満たしていますが、11時間もの労働の後では、十分な休憩時間とは言えません。疲労蓄積による健康被害のリスクも高まります。
2. 賃金と固定残業代
日当9000円の内、2000円が固定残業代として含まれているとのことですが、固定残業代は、残業時間が事前に明確に定められており、その範囲内で残業した場合にのみ有効です。あなたの場合は、11時間もの長時間労働を行っているにも関わらず、固定残業代が2000円のみでは、明らかに残業代が不足している可能性が高いです。
労働基準法では、時間外労働（残業）に対して、通常の賃金の25％以上の手当を支払うことが義務付けられています（労働基準法第37条）。仮に、あなたの時給を仮に1000円とすると、11時間労働のうち8時間を通常の労働時間、3時間を残業時間と仮定した場合、残業代は3時間×1000円×1.25＝3750円となります。しかし、あなたの固定残業代は2000円なので、1750円の残業代が不足している計算になります。これは、賃金未払いに該当する可能性があります。
3. 有給休暇
契約書に「有給あり」と記載されているにも関わらず、有給休暇を取得すると給料が減額されると言われているのは、労働基準法違反です。労働基準法では、継続して1年以上勤務した労働者には、年次有給休暇が付与されることが義務付けられています（労働基準法第39条）。有給休暇の取得を理由に賃金を減額することは、法律で明確に禁止されています。
これは、労働条件の変更にあたります。労働条件の変更は、労働者との合意が必要であり、一方的に変更することはできません。仮に、会社側が労働条件の変更を主張する場合でも、労働者にとって不利益な変更は、労働者の同意がなければ無効です。
具体的なアドバイス
- 労働基準監督署への相談：まずは、最寄りの労働基準監督署に相談することをお勧めします。労働基準監督署は、労働基準法違反の調査や是正指導を行う機関です。相談は無料で行えます。
- 弁護士への相談：労働基準監督署への相談と並行して、弁護士への相談も検討しましょう。弁護士は、あなたの権利を擁護し、会社との交渉や訴訟手続きを支援してくれます。
- 証拠の収集：勤務時間、休憩時間、賃金明細、契約書など、労働条件に関する証拠をしっかりと保管しておきましょう。これらの証拠は、労働基準監督署や弁護士への相談、訴訟において重要な役割を果たします。
- 記録の保持：勤務時間や休憩時間、残業時間などを正確に記録しておきましょう。タイムカードや勤務表、メモなどを活用し、証拠として残しておくと、後々のトラブル防止に役立ちます。
成功事例
過去には、長時間労働や賃金未払い、有給休暇取得拒否などを理由に、労働基準監督署に訴え、会社が是正措置をとった事例が多数あります。労働基準監督署は、企業に対して厳格な指導を行い、労働者の権利保護に力を入れています。
専門家の視点
弁護士や社会保険労務士などの専門家は、労働基準法に精通しており、あなたの状況を的確に判断し、適切なアドバイスを提供してくれます。専門家の力を借りることで、より効果的に問題解決を進めることができます。
まとめ
あなたの状況は、労働基準法に違反している可能性が非常に高いです。放置すると、健康被害や経済的な損失につながる可能性があります。早急に労働基準監督署や弁護士に相談し、あなたの権利を守ることが重要です。一人で抱え込まず、専門家の力を借りて解決を目指しましょう。
大切なのは、あなたの権利を主張することです。労働基準法は、労働者の権利を守るための法律です。法律を知り、それを活用することで、より良い労働環境を実現できるはずです。