仕事中の手への激痛と労災申請について
仕事中の手への激痛と労災申請について
建設業や土木作業など、セメントを使う仕事に従事されている方にとって、コテ作業による手への負担は深刻な問題です。毎日7時間もの間、コテを持ち続ける作業は、手首や腕、肩への負担が非常に大きく、腱鞘炎や手根管症候群などの職業病につながる可能性があります。朝起きた時に激痛が走り、握力が低下している状態は、放置すれば症状が悪化する可能性が高いため、早急な対応が必要です。
会社への報告と労災申請について、不安に思われていることと思います。この記事では、医師の診断書が必要かどうか、労災申請の手続き、そして今後の仕事における予防策について詳しく解説します。
医師の診断書は必要？
結論から言うと、会社に症状を報告し、労災申請を検討する際には、医師の診断書はほぼ必須です。
会社は、あなたの症状が仕事によるものかどうかを判断する必要があります。そのため、医師が「仕事中のコテ作業が原因で、腱鞘炎（または他の疾患）を発症した」と診断した診断書が必要となるのです。診断書には、症状の詳細、診断名、治療期間の見込みなどが記載されます。これによって、会社はあなたの症状の深刻さを理解し、適切な対応を取ることができるようになります。
診断書がないまま会社に報告しても、あなたの症状が仕事に起因するものであると認められない可能性があります。労災認定を受けるためには、客観的な証拠として診断書が非常に重要です。そのため、まずは医療機関を受診し、診断書を発行してもらうことを強くお勧めします。
労災申請の手続き
医師の診断書が取得できたら、労災申請の手続きを進めましょう。労災申請は、事業主（あなたの会社）が手続きを行うのが一般的です。
- ステップ1：会社への報告：まずは、あなたの症状と医師の診断書を会社に報告します。人事部や安全衛生担当者などに相談しましょう。
- ステップ2：労災保険の申請：会社は、労災保険の申請に必要な書類を労働基準監督署に提出します。必要書類は、診断書以外にも、業務内容を説明する書類や、事故状況報告書などがあります。
- ステップ3：審査：労働基準監督署は、申請内容を審査し、労災認定の可否を決定します。
- ステップ4：認定結果の通知：審査結果が会社に通知されます。労災認定が認められれば、治療費や休業補償などが支給されます。
手続きには、一定の期間がかかります。スムーズに手続きを進めるために、会社と密に連携を取り、必要な書類を迅速に提出することが重要です。
専門家の視点：作業環境と予防策
整形外科医や産業医などの専門家は、コテ作業による手への負担を軽減するために、以下の点を指摘しています。
- 適切な工具の使用：軽量で振動の少ないコテを使用する、または振動吸収機能付きのコテを使用する。
- 作業姿勢の改善：正しい姿勢を保つことで、手首や腕への負担を軽減できる。定期的な休憩を挟むことも重要。
- 手首や腕の保護：サポーターや手袋を使用するなど、手首や腕を保護する工夫をする。
- 作業環境の改善：作業台の高さを調整するなど、作業環境を改善することで負担を軽減できる。
- ストレッチや体操：作業前後のストレッチや体操を行うことで、筋肉の緊張をほぐし、ケガの予防に繋がる。
成功事例として、ある建設会社では、作業員の負担軽減のために、電動コテの導入や、作業時間の見直し、休憩時間の確保などに取り組み、腱鞘炎などの発症率を大幅に減少させることに成功しています。これは、会社側の積極的な取り組みが、作業員の健康を守ることにも繋がる好例です。
具体的なアドバイス：あなたができること
現状の改善に向けて、あなた自身もできることがあります。
- 医療機関への受診：まずは、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。症状を放置せず、早期治療が重要です。
- 会社への相談：症状を会社に報告し、状況を説明しましょう。作業環境の改善や、作業方法の見直しなどを相談してみましょう。
- セルフケアの実践：手首や腕のストレッチ、温冷湿布などを積極的に行い、症状の悪化を防ぎましょう。就寝前の温浴も効果的です。
- 作業方法の見直し：コテの持ち方や作業姿勢を見直し、負担を軽減する工夫をしてみましょう。休憩をこまめにとることも重要です。
まとめ
仕事でセメントを塗るコテを長時間使用することによる手への激痛は、放置すると深刻な事態を招く可能性があります。早期の医療機関への受診と会社への報告が重要です。労災申請には医師の診断書が必要となるため、まずは医療機関を受診し、診断書を取得しましょう。そして、会社と協力して、作業環境の改善や予防策の実施に取り組むことで、健康を守りながら仕事に取り組むことが可能になります。
あなたの健康は、あなた自身と会社が共に守るべき大切なものです。 積極的に行動を起こし、より良い職場環境を実現しましょう。