大学病院における看護師の業務改善：申し送り時間と残業問題への対策
大学病院における看護師の業務改善：申し送り時間と残業問題への対策
5年目看護師の方、大学病院での3交代勤務、7対1看護体制における業務の負担、特に申し送り時間の長さと残業の多さでお困りとのこと、大変お察しします。大学病院は高度な医療を提供する反面、複雑な情報伝達や多様な業務が求められ、時間管理が難しい環境です。しかし、現状を放置すれば、 burnout (燃え尽き症候群) のリスクが高まり、自身の健康とキャリアに悪影響を及ぼします。この記事では、具体的な改善策を提案し、より働きやすい環境を作るためのステップを解説します。
1. 申し送り時間の短縮化：効率的な情報共有システムの構築
日勤の申し送り時間が30分以上かかっているとのこと。これは、情報共有の非効率性が原因と考えられます。全員参加型の申し送りは、参加者の数が増えるほど時間がかかり、個々の看護師の負担も増大します。
- 申し送り内容の精選：本当に共有すべき情報は何なのかを明確化しましょう。重要度の低い情報は、記録に残すだけで済ませる、または、関係者のみで共有するなど工夫が必要です。例えば、患者の状態変化、処置内容、医師からの指示、検査結果など、必須情報を事前にリスト化し、それ以外の情報は省略することを検討しましょう。
- 記録システムの活用：電子カルテや看護記録システムを最大限に活用しましょう。申し送り事項を事前に記録しておけば、口頭での説明時間を短縮できます。共有フォルダを活用し、必要な情報を事前にアップロードするシステムを導入することも有効です。
- 申し送り方法の見直し：全員参加型の申し送りから、担当者間での直接申し送りを中心としたシステムへ変更を検討しましょう。日勤帯は、リーダーが重要な情報のみを簡潔に伝え、個別の詳細な情報は、担当看護師間で直接確認する形にすることで、時間を大幅に削減できます。必要に応じて、ショートレポート方式（要点のみを簡潔にまとめた報告書）を導入するのも効果的です。
- チーム医療の連携強化：医師や他の医療スタッフとの連携を強化し、情報共有をスムーズに行う体制を構築しましょう。例えば、朝礼やカンファレンスで重要な情報を共有することで、個々の申し送り時間を短縮できます。
成功事例：ある病院では、電子カルテを活用した申し送りシステムを導入することで、申し送り時間を平均15分に短縮することに成功しました。これは、情報共有の効率化と、記録の明確化によって実現しました。
2. 残業時間の削減：業務量の把握と時間管理の徹底
ほぼ毎日3時間残業しているとのこと。これは、業務量の過多と時間管理の甘さが原因と考えられます。まず、業務量を客観的に把握し、時間配分を見直す必要があります。
- 業務量の可視化：1日の業務内容を詳細に記録し、時間計測を行いましょう。どの業務にどれだけの時間がかかっているのかを把握することで、時間のかかる業務を特定し、改善策を検討できます。業務分析ツールを活用するのも有効です。
- 優先順位付け：緊急度と重要度に基づいて、業務の優先順位を明確にしましょう。緊急度の高い業務から先に取り組み、重要度の低い業務は後回しにする、または、他のスタッフに依頼するなど工夫が必要です。タスク管理アプリの活用もおすすめです。
- 時間管理の徹底：休憩時間をきちんと取り、こまめな休憩を挟むことで、集中力を維持し、作業効率を高めることができます。ポモドーロテクニックなどの時間管理手法を取り入れるのも有効です。
- 残業申請の徹底：タイムカードがない場合でも、残業届をきちんと提出することが重要です。残業代の請求だけでなく、業務量の客観的なデータとして活用できます。残業届の提出が難しい場合は、上司に相談し、改善策を検討しましょう。
- 業務分担の見直し：チーム全体で業務分担を見直し、業務の偏りを解消しましょう。人員配置の最適化や、業務の効率化を検討する必要があります。必要であれば、上司や人事部に相談し、人員増強を検討しましょう。
専門家の視点：産業医や看護管理者などの専門家に相談することで、客観的な視点から問題点を指摘してもらい、効果的な改善策を見つけることができます。彼らは、業務改善のノウハウや、法律に基づいた適切な対応方法を熟知しています。
3. 職場環境の改善：上司とのコミュニケーションと働き方改革
上司の指示や職場全体の時間管理のルーズさについても問題を感じているとのこと。これは、職場全体の意識改革が必要であることを示唆しています。
- 上司へのフィードバック：上司に、残業時間の長さや、業務の非効率性について、具体的なデータを示しながら丁寧に伝えましょう。建設的な提案を行うことが重要です。例えば、「残業時間を削減するために、業務の優先順位付けや時間管理の徹底について、チームで話し合いたい」といった提案をしてみましょう。
- 職場全体の意識改革：同僚や上司と協力し、職場全体の意識改革に取り組みましょう。ワークライフバランスの重要性について話し合い、残業を減らすための具体的な取り組みを検討しましょう。例えば、ノー残業デーの設定や、業務効率化のための研修の実施などを提案してみましょう。
- 人事部への相談：改善が見られない場合は、人事部などに相談し、問題解決に向けた支援を求めましょう。彼らは、職場環境の改善に専門的な知識と経験を持っています。
成功事例：ある病院では、看護師の意見を取り入れ、残業削減のための取り組みを推進した結果、残業時間が大幅に減少しました。これは、職場全体の意識改革と、具体的な改善策の実施によって実現しました。
これらの改善策を実行することで、申し送り時間と残業時間を削減し、より働きやすい環境を構築できる可能性があります。しかし、改善には時間と努力が必要です。焦らず、一歩ずつ着実に進めていきましょう。困難な場合は、上司や同僚、専門家などに相談し、サポートを得ながら取り組むことが重要です。