就業条件変更と雇用契約書：営業職から現場職への異動と給与減について
就業条件変更と雇用契約書：営業職から現場職への異動と給与減について
雇用契約書がないこと、そして就業条件の変更について
まず、入社時に雇用契約書を締結していないという点についてですが、これは労働基準法に違反している可能性があります。労働基準法第15条では、使用者は労働者に対して、労働条件を明示する義務を負っています。この明示は、書面で行うことが一般的で、雇用契約書はその重要な手段です。口頭での説明だけでは、後々のトラブルを防ぐことができません。 次に、営業職から現場職への異動と給与減についてですが、これは就業規則や雇用契約書の内容によって判断が変わってきます。 もし、就業規則に「会社の都合による配置転換」や「業務内容変更による給与変更」といった規定があり、かつ、その規定に従って変更が行われたのであれば、法的に問題ない可能性があります。しかし、口頭での指示だけで、書面による通知がないという点が問題となります。 重要なのは、変更後の労働条件が、労働基準法で定められた最低基準を満たしているかどうかです。最低賃金法、労働時間に関する規定、休日に関する規定など、労働条件には様々な法的な規制があります。これらの基準を下回る変更は、違法となる可能性があります。
具体的なアドバイス：雇用主との交渉と法的措置
現状を改善するために、以下のステップを踏んでみましょう。
- 会社側に雇用契約書の締結を求める： まずは、会社の人事部などに連絡を取り、雇用契約書の締結を要求しましょう。この際、これまでの口頭での指示内容を改めて確認し、書面で明確に記載してもらうよう求めます。 具体的に、勤務地、職務内容、給与、労働時間、休日、社会保険、退職金制度などを記載するよう依頼しましょう。
- 労働条件変更の書面化を求める： 営業職から現場職への異動と給与減についても、書面で通知してもらうよう要求しましょう。変更の理由、変更後の労働条件を詳細に記載した書面が必要です。 この書面は、今後のトラブル発生時の証拠となります。
- 労働基準監督署への相談： 会社との交渉がうまくいかない場合、労働基準監督署に相談することを検討しましょう。労働基準監督署は、労働基準法違反の企業に対して指導や是正勧告を行う機関です。相談することで、客観的な立場からのアドバイスを受けることができます。相談は無料で行えます。
- 弁護士への相談： 労働基準監督署への相談後も問題が解決しない場合、弁護士に相談することを検討しましょう。弁護士は、労働問題に詳しい専門家であり、法的措置を含めた適切なアドバイスをしてくれます。弁護士費用はかかりますが、法的リスクを軽減し、より有利な解決を導く可能性があります。
成功事例と専門家の視点
成功事例： 過去には、口頭での指示だけで労働条件を変更された労働者が、労働基準監督署に相談し、会社に是正勧告が出されたケースがあります。また、弁護士を介して、未払い賃金の請求や損害賠償請求に成功した事例も存在します。 専門家の視点（弁護士）： 労働法専門の弁護士は、雇用契約書がないこと、口頭での労働条件変更は、労働者の権利を著しく侵害する可能性があると指摘しています。特に、給与減額は、労働者の生活に直接影響を与えるため、慎重な対応が必要です。 書面による明確な合意がない限り、会社側の主張を一方的に受け入れる必要はありません。
労働条件変更における注意点
労働条件の変更は、労働者にとって大きな影響を与える可能性があります。そのため、以下の点に注意することが重要です。
- 書面による合意： 労働条件の変更は、必ず書面で行いましょう。口頭での合意は、証拠として弱い場合があります。
- 労働基準法の遵守： 変更後の労働条件が、労働基準法で定められた最低基準を満たしているか確認しましょう。
- 交渉力： 会社との交渉においては、自分の権利を主張する勇気と交渉力が必要です。必要であれば、労働組合や弁護士に相談しましょう。
- 記録の保持： 会社とのやり取りは、すべて記録しておきましょう。メール、メモ、録音など、証拠となるものを残しておくことが重要です。
まとめ
今回のケースでは、雇用契約書がないこと、そして口頭での労働条件変更が大きな問題となっています。 まずは、会社に雇用契約書の締結と労働条件変更の書面化を求め、交渉を試みましょう。それでも解決しない場合は、労働基準監督署や弁護士に相談することを検討してください。 自分の権利をしっかりと守り、安心して働くための第一歩を踏み出しましょう。 早期の対応が、より良い解決につながる可能性が高いことを覚えておいてください。