外回り営業の残業時間に関する疑問を解消！移動時間と残業代の請求方法
外回り営業の残業時間に関する疑問を解消！移動時間と残業代の請求方法
外回り営業など、移動時間が業務に占める割合が多い職種では、移動時間の扱いについて疑問を持つ方が少なくありません。この記事では、移動時間と残業時間に関する法律や判例、会社規定との関係性を解説し、残業代の請求方法についても具体的なアドバイスを行います。
移動時間は残業時間に含まれる？法律と判例から解説
結論から言うと、移動時間が残業時間に含まれるかどうかは、状況によって異なります。 労働基準法では、残業代の算定基準について明確に「移動時間は残業時間ではない」とは規定していません。重要なのは、その移動時間が「労働時間」に該当するかどうかです。
判例では、以下の点が考慮されています。
- 業務の性質：営業活動のように、移動自体が業務の不可欠な一部である場合は、移動時間も労働時間に含まれる可能性が高いです。例えば、顧客訪問や資料の回収など、移動中に業務を行っている場合が該当します。
- 会社の指示：会社から移動時間についても業務命令が出ている場合、労働時間として認められる可能性があります。例えば、「17時までにA社を訪問し、18時までに帰社すること」といった指示です。
- 自由裁量：移動手段や経路を自由に選択できる場合は、労働時間とみなされにくい傾向があります。一方、会社から指定された経路や交通手段を利用しなければならない場合は、労働時間とみなされる可能性が高まります。
- 休憩時間との区別：移動中に自由に休憩を取れる時間がある場合は、その部分は労働時間から除外される可能性があります。
あなたのケースでは、17:00に現場を出て18:00に帰社したとのことですが、17:00以降も業務上の指示に基づいて移動していたのであれば、残業時間に含まれる可能性があります。逆に、業務が完全に終了しており、自由に帰社できたのであれば、通勤時間とみなされる可能性が高いでしょう。
会社規定の確認が重要！残業代の請求方法
まず、会社の就業規則や労働時間に関する規定をしっかりと確認しましょう。多くの会社では、残業に関する規定を定めており、移動時間の扱いについても明記されている場合があります。規定に沿って請求を行うことが重要です。
規定に明確な記載がない場合、または規定と実際の状況に矛盾がある場合は、人事部や上司に相談し、移動時間の扱いについて確認することが必要です。
残業代の請求を行う際には、以下の点を明確にしましょう。
- 残業時間：いつからいつまで残業していたのか、具体的な時間を記録します。タイムカードや勤怠管理システムの記録、日報などを証拠として提示しましょう。
- 業務内容：どのような業務を行っていたのか、具体的に説明します。移動中に電話対応や資料作成などを行っていた場合は、その内容も記載します。
- 移動経路：移動手段や経路を記録しておきましょう。会社から指定された経路だった場合は、その旨を明記します。
証拠となる資料をしっかり準備することで、請求がスムーズに進みます。例えば、顧客とのメールのやり取り、日報、GPSデータなどが有効です。
成功事例：移動時間を労働時間と認めさせたケース
ある営業担当者は、毎日顧客訪問後、大量の資料を持ち帰り、自宅で報告書を作成していました。会社は当初、移動時間を残業時間に含めませんでしたが、担当者が毎日の業務内容と移動時間、そして自宅での作業時間を詳細に記録し、人事部へ提出した結果、移動時間を労働時間として認めさせ、残業代を受け取ることができました。
専門家のアドバイス：労働問題に詳しい弁護士への相談
会社との交渉が難航する場合、または会社が不当な対応をとる場合は、労働問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。弁護士は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、必要であれば会社との交渉や訴訟手続きを支援してくれます。
労働基準監督署への相談も有効です。労働基準監督署は、労働基準法の遵守状況を監督する機関であり、相談窓口として機能しています。ただし、監督署は個々の労働問題の解決を直接行うのではなく、企業への指導を行う機関であることを理解しておきましょう。
まとめ：明確な記録と証拠が重要
外回り営業における移動時間の扱いについては、法律や判例、会社規定、そして具体的な業務内容によって大きく異なります。日々の業務記録を正確につけ、証拠となる資料を保管しておくことが、後々のトラブルを防ぎ、正当な残業代を請求するために非常に重要です。不明な点があれば、会社に確認したり、専門家に相談したりすることを躊躇せずに行いましょう。
自分の権利を主張するために、積極的に行動を起こすことが大切です。