言語聴覚士実習生必見！患者様の状態を的確に把握するための記憶術
言語聴覚士実習生必見！患者様の状態を的確に把握するための記憶術
言語聴覚士（ST)を目指す実習生です。現在２年過程の２年目で、臨床実習中です。回復期と慢性期（通所）の病院でお世話になっています。現在、とても困っていることがあります。患者様（以下Pt）の様子が覚えられないのです。特に、会話内容と流れ（前後関係）を覚えられません。他にも、Ptの発話の様子、発話と発話の間や口調、課題をされているときの視線や表情の変化等を覚えられません。もともと人との会話内容を覚えておくのが苦手なのですが、日常生活で支障になるほどではありません。しかし、STならば「どんな会話をしたか」だけでなく、上記のようなことを覚えておけないといけないですよね。メモは許可されている時とNGな時があり、メモOKな場合でも、後から思い出せないことが多いです。もちろん、居眠りや他ごとを考えてしまうなどということはありません。先生からも「それだけ覚えておけないのはおかしい」とびっくりされてしまうぐらい覚えておけません。私はPｔに興味がないのではないか、Ptのことを考えていないのではないかと思ってしまいます。これまでも知人に「脳に障害でもある？」「外国育ちとか？」と言われた経験もあり、色々と病的な側面を持っていることは間違いないと思われます。自分の記憶力の無さに、心底愕然としています。就職も早々と決まり、机上の勉強の成績は普通～優秀程度だと言ってもらえています。Ptの様子を覚えておけないので、問題点も分からず、評価もできません。せっかく取らせてもらっている検査も、充分に情報を取れていないと怒られます。もちろん訓練計画をたてることもできていません。どうすればPtの様子を覚えておけるか、問題点が分かるか・・・アドバイスをお願いします！
言語聴覚士にとっての記憶力向上は必須スキル
言語聴覚士として活躍するためには、患者様の状態を正確に把握し、適切な支援を提供することが不可欠です。そのためには、患者様の言葉、表情、行動、そしてそれらに潜む問題点を的確に記憶する能力が求められます。実習段階で記憶に課題を感じていることは、決して珍しいことではありません。しかし、この課題を克服することで、より質の高い言語聴覚士としての成長につながります。
患者様の状態を記憶するための具体的な方法
記憶力を向上させるための具体的な方法を、いくつかご紹介します。
1. 記録方法の工夫：メモと記録システムの活用
- メモの許可状況を事前に確認する：メモが許可されている場合は、積極的に活用しましょう。会話内容だけでなく、表情、口調、視線、非言語的なコミュニケーションなども記録します。
- 記録用紙のフォーマットを作成する：患者様ごとに、氏名、年齢、病歴、会話内容、表情、行動などを記録できるフォーマットを作成し、統一的に記録することで、後からの参照が容易になります。電子カルテを活用する場合は、テンプレートを作成しておくと効率的です。
- 音声録音の活用（許可を得た上で）：患者様との会話内容を正確に記録するために、許可を得た上で音声録音を行うことも有効です。
- デジタルツールを活用：iPadなどのタブレット端末にメモアプリや音声録音アプリなどを活用することで、記録の効率化を図りましょう。写真撮影も有効です（プライバシーに配慮して）。
2. 記憶テクニックの習得：五感を活用した記憶法
- 五感をフル活用する：患者様との会話だけでなく、表情、声のトーン、体臭、触覚など、五感を意識して観察することで、記憶に定着しやすくなります。例えば、「患者さんの言葉遣いは丁寧で、少し震えた声で話していた」といったように、具体的な言葉で記録することでより鮮明に思い出せます。
- 連想記憶を活用する：患者様の名前や特徴を、何か具体的なものと結びつけて記憶する「連想記憶」も有効です。例えば、「〇〇さん（患者さん）は、いつも赤い帽子をかぶっている」といったように、具体的なイメージと結びつけることで記憶しやすくなります。
- ストーリー化して記憶する：1日の患者さんとのやり取りを、まるで物語のようにストーリー化して記憶すると、断片的な情報よりも記憶に残りやすくなります。例えば、「今日は〇〇さんが、少し元気がなく、会話も少なかった。しかし、最後に笑顔を見せてくれた」といったように、一連の流れを捉えることが重要です。
3. 定期的な復習と自己評価
- 日々の記録を見返す：日々の記録を定期的に見返すことで、記憶を定着させることができます。記録を見返す際には、患者様の状態の変化や、自分の対応について振り返り、自己評価を行うことも重要です。
- スーパーバイザーや先輩との情報共有：記録内容や、患者様の状態について、スーパーバイザーや先輩言語聴覚士と共有し、フィードバックをもらうことで、自分の理解度を客観的に評価することができます。
4. 患者さんへの関心の高め方
- 患者さんの背景を知る：患者さんのカルテをよく読み、背景や生活状況、趣味などを理解することで、より深い関心が持てます。患者さんとの会話の中で、これらの情報を自然に引き出すことも有効です。
- 患者さんとの共感：患者さんの気持ちに寄り添い、共感することで、より深く患者さんの状態を理解し、記憶に残りやすくなります。患者さんの話に真剣に耳を傾け、共感の言葉を伝えることが大切です。
- 患者さんの個性を知る：患者さん一人ひとりが異なる個性を持っていることを理解し、その個性を尊重することが重要です。患者さんの個性を知ることで、より深い関心が持て、記憶に残りやすくなります。
専門家の視点：記憶力向上のためのトレーニング
記憶力向上には、脳トレも効果的です。例えば、クロスワードパズルや数独などの脳トレゲーム、新しい言語の学習、読書など、脳を活性化させる活動を取り入れることで、記憶力向上に繋がります。
成功事例：先輩言語聴覚士の経験
私の知人の言語聴覚士は、初期の頃は患者さんの情報をなかなか覚えられずに苦労していました。しかし、上記の様な記録方法を工夫し、患者さんとのコミュニケーションを重視することで、徐々に記憶力が向上し、今では的確な評価と訓練計画の作成を行っています。
まとめ：記憶力は鍛えられる！継続が成功の鍵
患者様の状態を記憶することは、言語聴覚士にとって重要なスキルです。しかし、記憶力は鍛えることができます。今回ご紹介した方法を実践し、継続的に努力することで、必ず記憶力は向上します。焦らず、一歩ずつ確実にスキルアップを目指しましょう。 もし、記憶力に関する強い不安がある場合は、医療機関の専門医に相談することも検討してみてください。