残業時間の上限と労働基準法：5時間ルールは本当に正しいのか？

残業時間の1日の上限って存在するのですか？弊社の上司は「5時間以内というルールがある」というのです。このため残業が5時間以上でも5時間までで抑えられようとしています。私には理不尽に感じますがどうでしょう？もともと仕事Ａ（9～17時）の勤務に加えて、仕事Ｂ（19:00～22：30）も上司が命じました。私は仕事が好きなので9時～22時30分でも週1度ならやりたいと思い、承諾しました。ところが、後日「1日5時間以上の時間外勤務は認められないので、9時半～の勤務ということにしてくれ」と命令されました。共に働く仲間の手前、現実には9時に出勤することになりそうなのです。30分の時間外は放棄せざるを得ないのでしょうか？100％納得できないのですが、会社の命令なので従わざるをえないのでしょうか？労働基準法などに触れるか否かも含めてわかりやすく教えていただきますようお願いいたします。

残業時間の上限に関する法律と現実

結論から言うと、1日の残業時間の上限は法律で明確に定められていません。労働基準法では、時間外労働（残業）について、原則として「1ヶ月45時間、1年360時間」という上限が定められています。しかし、これはあくまで「上限」であり、1日に何時間までという規定はありません。上司が「5時間以内」というルールを設けているのは、会社の内部規定によるものであり、労働基準法に抵触するものではありません。ただし、この規定が、労働者の健康や安全を著しく損なうようなものであれば、労働基準監督署に相談する余地があります。

上司の指示と労働時間管理の問題点

あなたのケースでは、上司の指示にいくつかの問題点が見られます。

時間外労働の記録の改ざん：実際には9時から22時30分まで勤務しているにも関わらず、9時30分から勤務していることにして記録を改ざんしようとしている点です。これは、労働基準法違反に該当する可能性があります。正確な労働時間を記録することは、労働者と企業の双方にとって非常に重要です。時間外労働の適切な管理は、労働者の権利保護と企業のコンプライアンス遵守に不可欠です。
労働者の意思を無視した命令：あなたは週1回であれば長時間勤務を承諾したにも関わらず、上司の都合で勤務時間が変更され、あなたの意思は無視されています。これは、労働契約上の問題となりうる可能性があります。健全な労働関係を築くためには、労働者の意思を尊重し、労働条件について合意形成を図ることが重要です。
30分の時間外労働の放棄強要：30分の時間外労働を放棄せざるを得ない状況に追い込まれている点は、労働者の権利を侵害する可能性があります。労働者は、時間外労働に対する適切な賃金や休暇の取得を請求する権利を有します。時間外労働の適切な管理と賃金支払いは、労働者の権利保護に不可欠です。

具体的な対処法とアドバイス

まず、正確な労働時間記録を自ら残しておくことが重要です。勤務開始時刻、終了時刻、休憩時間などを詳細に記録し、証拠として残しておきましょう。タイムカードや勤怠管理システムがあれば、その記録を保存しておきます。もし、記録が改ざんされている場合は、その証拠も残しておきましょう。次に、会社の上司と直接話し合うことをお勧めします。あなたの労働時間に関する懸念と、上司の指示による不当な扱いについて、冷静かつ明確に伝えましょう。話し合いを通じて、合意形成を目指しましょう。話し合いがうまくいかない場合、または、上司があなたの訴えに耳を傾けない場合は、労働組合や労働基準監督署に相談することを検討しましょう。労働組合があれば、組合を通じて会社と交渉することができます。労働基準監督署は、労働基準法違反の相談を受け付けており、適切な助言や指導を受けることができます。

成功事例と専門家の視点

過去には、同様のケースで、労働基準監督署が企業に対して是正勧告を行い、時間外労働の適切な管理と賃金支払いを命じた事例があります。弁護士などの専門家によると、時間外労働の記録改ざんは、重大な労働基準法違反であり、企業は罰則を受ける可能性があります。また、労働者の意思を無視した一方的な命令は、労働契約違反に該当する可能性があります。

まとめ：あなたの権利を守りましょう

あなたの状況は、労働基準法に抵触する可能性のあるいくつかの問題を含んでいます。 自分の権利を主張し、適切な対応をとることが重要です。まずは、正確な労働時間記録を残し、会社の上司と話し合いましょう。それでも解決しない場合は、労働組合や労働基準監督署に相談することを検討してください。専門家のアドバイスを受けることも有効な手段です。一人で抱え込まず、適切なサポートを得ながら、問題解決に取り組んでください。あなたの健康と権利を守るためにも、積極的に行動を起こすことをお勧めします。