取締役の勤務時間と権限について：遅く出勤して早く帰ることは許されるのか？

取締役という肩書きだったら遅く出勤して、早く帰るというのはありなんでしょうか？まだ社会人１年目でそういったルールをよく知らないのですが、私の勤めている会社(正社員8人の小企業)に、肩書きが「取締役」の上司がいます。出勤時間に来ているのは片手で数えるくらいしか見ていないし、帰るのも早いです。(その他もろもろも含め、社長は臭いものに蓋をするかのように一切関与しません)給料も自身で(社員ほぼ全員分も)決めていて、1番古株で、１番労働時間も売り上げも多い人と同じくらい(多め)貰っているそうなんです。「取締役」にはどこまで権限があるものなんでしょうか？

社会人1年目の方にとって、取締役の勤務時間や権限は疑問に思う点が多いでしょう。特に、小規模企業では、一般的な大企業とは異なる状況が見られることも少なくありません。本記事では、取締役の勤務時間、権限、そして、質問者様の会社の状況について、具体的なアドバイスと成功事例を交えながら解説します。

取締役の勤務時間：柔軟性と責任のバランス

結論から言うと、取締役が遅く出勤して早く帰ることは、必ずしも「あり」とは限りません。 しかし、「ありえない」とも言い切れません。取締役の勤務時間は、その会社の規模、業種、そして取締役自身の役割と責任によって大きく異なります。

大企業の場合： 通常、取締役は経営全般に関わる重要な役割を担っており、勤務時間は比較的長く、柔軟性に欠ける傾向があります。責任の重さに比例して、勤務時間も長くなるケースが多いです。
中小企業の場合： 大企業と比較して、取締役の役割は多岐に渡ることが多く、経営、営業、人事、経理など、様々な業務に携わる場合があります。そのため、勤務時間は柔軟性を持つケースも少なくありません。しかし、責任は依然として重大であり、結果責任は免れません。

質問者様の会社の取締役は、出勤時間が遅く、退勤時間も早いとのことですが、これは、その取締役が自身の業務を効率的にこなし、結果を出せている可能性があります。あるいは、社長の関与が薄い状況を逆手に取り、自身の裁量で業務を進めている可能性も考えられます。重要なのは、「勤務時間の長さ」ではなく「成果」です。

取締役の権限：会社の規模と役割によって異なる

取締役の権限は、会社法によって定められていますが、その範囲は会社の規模や組織構造、取締役会の構成によって大きく異なります。一般的に、取締役は会社の経営に関する重要な意思決定に関与する権限を持ちます。

経営戦略の立案と実行： 中長期的な経営計画の策定、事業戦略の決定など、会社の将来を左右する重要な意思決定に関わります。
予算の承認： 会社の予算を承認する権限を持ちます。
人事に関する決定： 重要な人事に関する決定（採用、昇進、降格など）に関与します。
契約の締結： 会社を代表して契約を締結する権限を有する場合があります。

しかし、全ての取締役が全ての権限を持つわけではありません。 取締役会での決定事項や、会社内における権限委譲の状況によって、個々の取締役の権限は異なってきます。質問者様の会社の取締役が給与を自身で決定しているとのことですが、これは、社長の関与が薄い状況下で、事実上、その取締役が経営権を握っていると解釈することもできます。

質問者様の会社の状況：潜在的なリスクと対応策

質問者様の会社は、正社員8名という小規模企業であり、社長の関与が薄い、取締役が自身の給与を含む全社員の給与を決定している、という特異な状況です。これは、潜在的なリスクを含んでいます。

ガバナンスの欠如： チェック体制が整っておらず、不正が行われても発見されにくい状況です。
透明性の欠如： 給与体系や経営状況が不明瞭である可能性があります。
経営の非効率性： 社長の関与が薄いことで、経営判断の遅れや、非効率な運営につながる可能性があります。

このような状況下では、社員として、会社の状況を正確に把握し、リスクを最小限に抑えるための対策を講じる必要があります。

情報収集： 会社の財務状況、経営計画、人事制度など、可能な範囲で情報を集めましょう。信頼できる外部の専門家（会計士など）に相談するのも有効です。
記録の保持： 重要な会議の内容や決定事項を記録しておきましょう。証拠として残しておくことは、将来的なトラブルを防ぐために重要です。
社内コミュニケーション： 同僚と情報交換を行い、共通の認識を持つようにしましょう。問題意識を共有することで、より効果的な対策を講じることができます。
専門家への相談： 弁護士や労務士などの専門家に相談し、法的観点からのアドバイスを受けることも重要です。

成功事例：透明性とガバナンスの強化

中小企業において、透明性とガバナンスを強化した成功事例として、定期的な経営会議の開催、外部監査の導入、社内規定の明確化などが挙げられます。これらの取り組みは、経営の効率化、リスク管理の強化、従業員のモチベーション向上に繋がります。 取締役の勤務時間の長短よりも、これらのガバナンスの強化が、会社全体の健全な発展に不可欠です。

専門家の視点：適切なガバナンス体制の構築

企業法務に精通した弁護士の視点から見ると、質問者様の会社の状況は、企業ガバナンスの観点から問題点が多いと言えます。社長の関与が薄く、取締役が事実上、経営を独占している状態は、リスク管理の観点から非常に危険です。透明性と説明責任を担保するため、取締役会を活性化し、外部監査の導入などを検討する必要があるでしょう。また、社員の意見を反映する仕組みを作ることも重要です。

最終的に、取締役の勤務時間の長短は、その成果と責任によって判断されるべきです。質問者様の会社の状況を改善するためには、透明性とガバナンスの強化に重点を置く必要があります。そして、その過程で、社員一人ひとりが積極的に関与していくことが重要です。

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