突然の事業承継！28歳、知識・経験ゼロからの会社経営スタートガイド
突然の事業承継！28歳、知識・経験ゼロからの会社経営スタートガイド
会社を継ぐことになりました。私は現在28歳の常識知らずの男性です。父は10年ほど前、務めていた会社が倒産し、その際路頭に迷っていたところ、お客様先のご好意もあり独立して自営業を営むこととなりました。10年間浮き沈みはありましたが、なんとか今までパートさん10名ほどの小さな会社を営んできました。そんな会社も仕事がどんどん海外へ流れていき、国内での生産がどんどん減る昨今、父も65歳くらいにはやめるつもりでいると聞いていました。ですので私も、継ぐなんて選択肢は考えておりませんでした。ですが、父の突然の体調不良により、仕事を続けることが困難になり、私がこの会社に入ることになったのです。会社設立時から一緒に経営をしてきた母が、現在は代表を務めていますが、母の健康状態もいつまで続くかわかりません。私自身はと言うと、今まで定職に就くわけでもなく、やりたいこともなく、派遣やアルバイトをしながら生活していました。とくに何か技術があるわけでもなく、知識があるわけでもありません。現在は、ただ毎日の納品に行くだけの仕事しかしておりません。当然、このままではこの会社も継ぐことはできませんし、自分自身の生活も保障もできません。このままではいけない事は分かっていても、今までなんの努力もしたことなければ勉強の仕方すら分からないようなダメ人間が、この先まず何をするべきでしょうか？何をしたらいいか自分で考えられないようなゆとり脳の私ですが、どうかお力添えください。そして、学が無いために文を書くことも下手ですが、ここまで長文を読んでいただいて有難うございます。
1. 現状把握と緊急課題の整理：事業承継の第一歩
まず、焦らず現状を冷静に把握することが大切です。現状分析と緊急課題の特定を同時に行いましょう。
- 会社の財務状況の確認： 銀行口座残高、売掛金・買掛金、利益・損失、負債などを確認します。会計ソフトの利用や税理士への相談が不可欠です。専門家の力を借りることで、会社の健康状態を正確に把握できます。
- 事業内容の理解： 会社がどのような製品・サービスを提供し、顧客層は誰か、競合他社は誰かなどを詳細に把握します。事業計画書や過去の資料を精査し、現状の強みと弱みを分析しましょう。
- 従業員の状況把握： パート従業員10名のスキル、経験、役割、モチベーションなどを把握します。従業員とのコミュニケーションを密にすることで、会社運営の安定につながります。
- 緊急課題のリスト化： 父の体調不良による業務停止リスク、会社の資金繰り、顧客との関係維持など、直ちに対処すべき課題をリスト化します。優先順位をつけて、一つずつ解決していく計画を立てましょう。
2. 経営知識・スキルの習得：専門家を活用しよう
知識・経験ゼロからのスタートは不安が大きいですが、専門家の力を借りることで、その不安を軽減し、成功への道を切り開くことができます。
- 中小企業診断士の活用： 中小企業診断士は、経営に関する幅広い知識と経験を持つ専門家です。事業計画策定、経営戦略立案、資金調達、人材育成など、経営課題の解決に役立つアドバイスをもらえます。地域の商工会議所などに相談窓口があります。
- 税理士・会計士の活用： 財務状況の分析、税務申告、資金繰り計画など、会計に関する専門的な知識が必要です。税理士・会計士に相談することで、正確な情報に基づいた経営判断ができます。
- 弁護士の活用： 契約書の作成・確認、法令遵守、紛争解決など、法律に関する知識は不可欠です。専門家のアドバイスを受けることで、リスクを最小限に抑えられます。
- 経営者向けのセミナー・研修： 経営に関する知識・スキルを体系的に学ぶことができます。オンライン講座や地域で開催されるセミナーなどを活用しましょう。
3. 事業承継計画の策定：具体的なステップ
事業承継は、単なる会社の引き継ぎではなく、未来への投資です。綿密な計画を立て、段階的に進めていきましょう。
- 事業承継計画書の作成： 現状分析、課題、目標、戦略、具体的な行動計画などをまとめた計画書を作成します。これは、今後の経営活動の指針となる重要なドキュメントです。専門家の協力を得ながら作成しましょう。
- 資金調達計画： 事業継続に必要な資金を確保するための計画を立てます。銀行融資、政府系金融機関からの融資、助成金制度の活用などを検討します。事業計画書は資金調達の際に非常に重要になります。
- 事業の継続・発展のための戦略： 海外への生産シフトという現状を踏まえ、国内生産の維持、新たな顧客開拓、新たな製品・サービス開発など、事業の継続・発展のための戦略を策定します。市場調査や競合分析を行い、具体的な戦略を立てましょう。ニッチ市場への特化なども有効な手段です。
- 人材育成計画： 従業員のスキルアップ、モチベーション向上のための計画を立てます。研修制度の導入、キャリアパス設計、適切な報酬体系の構築などを検討します。優秀な人材の確保と育成は会社の成長に不可欠です。
4. 成功事例と専門家のアドバイス：学び続ける姿勢が重要
事業承継は、容易ではありませんが、成功事例を参考に、専門家のアドバイスを聞きながら進めていくことで、成功の可能性を高めることができます。 成功事例： ある地方の小さな製造業は、後継者がIT技術を導入し、生産効率を大幅に向上させました。また、ECサイトを開設することで、新たな顧客を獲得し、事業を拡大することに成功しました。これは、変化への対応と積極的な取り組みが成功の鍵となった好例です。 専門家のアドバイス： 「事業承継は、単なる会社の引き継ぎではなく、未来への投資です。そのためには、現状を正確に把握し、将来を見据えた計画を立てることが重要です。そして、専門家の力を借りながら、一歩ずつ着実に進めていくことが大切です。」（中小企業診断士 A氏）
5. 具体的な行動計画：まずは一歩を踏み出そう
知識・経験がなくても、行動を起こすことが大切です。
- 今日からできること： 会社の書類整理、顧客リストの作成、従業員との面談など、小さなことから始めましょう。小さな成功体験を積み重ねることで、自信がつき、モチベーションも向上します。
- 今週からできること： 会計ソフトの使い方を学ぶ、税理士・会計士への相談、中小企業診断士への相談、事業計画書の作成を開始するなど、具体的な行動計画を立て、実行しましょう。
- 来月までにできること： 資金調達計画の策定、事業戦略の策定、人材育成計画の策定など、より具体的な計画を立て、実行しましょう。
「常識知らず」と自覚されていること、そしてその現状を客観的に捉えられていることは、大きな強みです。 過去の経験にとらわれず、前向きに学び、行動することで、必ず乗り越えることができます。 まずは一歩を踏み出し、未来に向かって進んでいきましょう。