社長とのトラブルと役員退任：専務の立場と法的対応
社長とのトラブルと役員退任：専務の立場と法的対応
専務取締役として社長とトラブルが発生し、退職届を提出したにも関わらず、社長から仕事が押し付けられ、役員報酬の扱いについても曖昧な状況にあるとのこと、大変お辛い状況ですね。 本件は、労働契約法、会社法、そして会社定款といった複数の法律・規約が絡む複雑な問題です。 以下、それぞれの観点から解説し、具体的な対応策をご提案します。
1. 退職届の有効性と役員職の継続
まず、ご提出された退職届の有効性についてです。役員は、会社法に基づき、原則として取締役会（または株主総会）の決議によって解任されるか、任期満了によって退任します。単なる退職届の提出だけでは、役員としての地位は自動的に消滅しません。 社長の独断で役員職を取り消すことはできません。
あなたが「役員として辞めません」と意思表示している点も重要です。これは、あなたの役員としての地位を維持したいという明確な意思表明であり、退職届の撤回に繋がる可能性があります。ただし、この意思表示だけでは法的根拠としては弱いため、書面で明確に退職届の撤回を伝え、今後の対応について社長と話し合う必要があります。
- 具体的な行動：社長に書面で退職届の撤回を伝え、役員としての地位を維持する意思を明確に示す。
- 証拠の確保：社長とのやり取り（メール、書面など）は全て記録として保管しておく。
2. 社員としての契約について
社長が「給与は社員として振込んでいる」と一方的に主張している点についても、問題があります。 あなたが社員としての契約を結んでいない以上、社長の主張は法的根拠を持ちません。 労働契約は、合意に基づいて成立するものであり、あなたの同意なく社員契約を締結されたとはみなせません。
役員報酬と社員給与は、異なる法的根拠に基づいて支払われます。役員報酬は、会社法に基づくものであり、社員給与は労働契約法に基づくものです。社長の行為は、法令違反にあたる可能性があります。
- 具体的な行動：社長に対し、社員としての契約を結んでいないことを改めて伝え、役員報酬の支払い方法について明確な説明を求める。
- 証拠の確保：役員報酬の振込明細書を保管し、社員契約書が存在しないことを確認する。
3. 仕事の押し付けと役員会の開催
社長が仕事を引き続き押し付けてくる状況は、パワハラにあたる可能性があります。 役員会を開催する権利は、あなたにもあります。会社法では、取締役会（役員会）の開催を規定しており、重要な事項については、役員会での審議・決議が必要となります。
現状、社長が独断で会社運営を進めている可能性があるため、役員会を開催し、現状の問題点について議論する必要があります。他の役員と連携し、会社運営の透明性を高めることが重要です。
- 具体的な行動：他の役員に連絡を取り、役員会を開催することを提案する。議題には、社長とのトラブル、退職届の扱い、仕事量の不均衡、役員報酬の支払い方法などを含める。
- 弁護士への相談：必要に応じて弁護士に相談し、役員会開催の手続きや法的措置についてアドバイスを受ける。
4. 役員解任と定款からの削除
あなたが本当に辞任する場合（死亡も含む）、定款の変更手続きが必要となります。定款は会社の基本的なルールを定めたものであり、役員の変更は、定款の変更手続きを経て行われます。 これは、株主総会または取締役会の決議によって行われます。
社長の独断で定款から削除することはできません。 辞任の意思表示をした場合でも、適切な手続きを経なければ、法的効力はありません。
5. 専門家への相談
現状の複雑な状況を鑑みると、弁護士への相談が強く推奨されます。弁護士は、会社法や労働契約法に精通しており、あなたの権利を保護するための適切なアドバイスを提供してくれます。 また、必要に応じて、人事コンサルタントに相談することも有効です。人事コンサルタントは、企業における人事問題の解決に豊富な経験と知識を持っています。
成功事例：類似ケースからの学び
過去には、役員間の対立により会社運営が滞り、最終的に裁判沙汰になった事例があります。 これらの事例から学ぶべきことは、早期の専門家への相談と証拠の明確な確保です。 曖昧な状況のまま放置すると、事態が複雑化し、解決が困難になる可能性があります。 早期に弁護士や人事コンサルタントに相談することで、適切な解決策を見つけ、あなたの権利を守ることができます。
まとめ
社長とのトラブルは、非常にデリケートな問題です。しかし、法的な知識と適切な対応によって、事態を好転させる可能性は十分にあります。 書面による記録、証拠の確保、そして専門家への相談を怠らず、冷静かつ毅然とした対応を心がけてください。 あなたの権利を守るためにも、早急な行動が求められます。
最近のコラム
>> 新生活スタート！Wi-Fi選びで失敗しないための完全ガイド：固定回線 vs モバイルWi-Fi、あなたに最適なのはどっち？