給与未払い、雇用契約書未交付…悪質企業への対処法
給与未払い、雇用契約書未交付…悪質企業への対処法
ご相談ありがとうございます。ご状況から、雇用主による深刻な労働基準法違反が疑われます。具体的に、給与未払い、雇用契約書不交付、不当な労働条件の提示など、複数の問題点が指摘できます。以下、それぞれの点について詳しく解説し、対処法をご提案します。
1. 給与未払いについて
労働基準法第24条では、使用者は賃金を毎月1回以上支払う義務があると定められています。貴方のケースでは、当初月給20万円と合意しながら、実際は2日間の労働しかなく、しかも日給月給という不当な支払い方法を強要されている状況です。これは明らかに労働基準法違反です。未払い賃金は、速やかに請求する権利があります。
- 請求方法：まずは、雇用主に書面で未払い賃金の支払いを請求しましょう。内容証明郵便で送付することで、証拠として残ります。請求書には、具体的な労働日数、日給、合計金額を明記し、支払期限を明確に設定しましょう。
- 証拠集め：雇用契約書がない場合でも、給与明細、勤務記録、メールのやり取りなど、労働内容や給与に関する証拠を全て集めておきましょう。これらの証拠は、後述する労働基準監督署への相談や裁判において重要な証拠となります。
- 相談窓口：請求に応じない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。監督署は、使用者に対して是正勧告を行い、未払い賃金の支払いを促します。また、必要に応じて、法的措置を検討することもできます。
2. 雇用契約書不交付について
労働基準法第15条では、使用者は労働者に対し、雇用契約書を交付する義務があります。契約書には、賃金、労働時間、休日、解雇に関する事項などが記載されます。貴方のケースでは、雇用契約書が交付されていないだけでなく、「仕事がないから渡せない」という、不当な理由で交付を拒否されています。これは、労働者の権利を著しく侵害する行為です。
- 契約書の内容：雇用契約書がない状態では、労働条件が曖昧になり、労働者にとって不利な状況に陥る可能性があります。賃金、労働時間、休日など、労働条件に関する合意事項を明確にすることで、後々のトラブルを回避できます。
- 証拠の確保：雇用主との間で交わしたメールやメッセージ、証言など、労働条件に関する証拠をしっかりと確保しておきましょう。
- 監督署への相談：雇用契約書が交付されない場合も、労働基準監督署に相談できます。監督署は、使用者に対し、雇用契約書の交付を指導します。
3. 不当な労働条件について
ハローワークに求人を掲載しながら、実際には仕事がない、または極端に少ないという状況は、労働者にとって重大な不利益となります。これは、虚偽の求人広告にあたり、労働基準法違反の可能性があります。また、「教えるために呼びよせたら経営が成り立たない」という経営者の発言は、労働条件を事前に説明しなかったことを示唆しており、これも問題です。
- 虚偽広告の証拠：ハローワークの求人情報、求人票のコピーなどを証拠として保存しておきましょう。
- 労働時間管理：労働時間、休憩時間、残業時間などを正確に記録しておきましょう。これは、労働時間に関するトラブルが発生した場合に必要となります。
- 専門家への相談：複雑なケースでは、弁護士や労働組合などに相談することをお勧めします。専門家は、法律的な観点から適切なアドバイスを行い、問題解決を支援します。
4. 成功事例と専門家の視点
過去には、同様のケースで、労働基準監督署への通報により、使用者に未払い賃金の支払いが命じられた事例が多数あります。また、弁護士を代理人に立て、裁判を起こして勝訴した事例もあります。重要なのは、証拠をしっかりと集め、関係機関に相談することです。
弁護士の視点から見ると、貴方のケースは、労働基準法違反が明確であり、未払い賃金の請求、損害賠償請求の可能性が高いと言えます。特に、雇用契約書がないこと、虚偽の求人広告を出していた可能性があることは、使用者側に不利な要素となります。
5. 実践的なアドバイス
- 冷静に対処する：感情的にならず、証拠をしっかりと集め、冷静に状況を把握しましょう。
- 書面でのやり取り：雇用主とのやり取りは、可能な限り書面で行い、証拠を残しましょう。
- 労働基準監督署への相談：まずは労働基準監督署に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。相談は無料です。
- 弁護士への相談：必要に応じて弁護士に相談し、法的措置を検討しましょう。
- 労働組合への加入：労働組合に加入することで、労働問題に関する相談や支援を受けることができます。
決して諦めずに、権利を主張しましょう。労働基準監督署や弁護士などの専門家の力を借りながら、未払い賃金の回収、そして悪質な企業への適切な対応を進めてください。