履歴書と職務経歴書の違いと書き方
履歴書と職務経歴書の違いと書き方
履歴書と職務経歴書はどちらも就職活動において重要な書類ですが、それぞれ役割が異なり、書く内容も異なります。履歴書が「あなた自身の概要」を示すものであるのに対し、職務経歴書は「あなたの仕事実績」を詳細に示す書類です。同じ内容を2回書く必要はありません。むしろ、それぞれの書類で異なる情報を効果的に伝えることで、採用担当者にあなたの能力をアピールできます。
履歴書：あなた自身の概要を簡潔に
履歴書は、学歴、職歴、資格、連絡先といったあなたの基本的な情報を簡潔にまとめた書類です。企業はまず履歴書を見て、応募者の基本的なプロフィールを把握します。そのため、正確な情報と読みやすい書式が求められます。 簡潔さと正確性が重要です。
- 氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの連絡先情報
- 最終学歴（学校名、卒業年）
- 職歴（会社名、職種、在職期間）
- 資格（取得資格名）
履歴書では、職歴は簡潔に会社名、職種、在職期間を記載する程度で十分です。詳細な業務内容や成果については、職務経歴書で説明します。
職務経歴書：あなたの仕事実績を詳細に
職務経歴書は、これまでの職務経験を詳細に記述し、あなたの能力やスキルをアピールする書類です。履歴書では伝えきれない、具体的な仕事内容、成果、スキルなどを記述することで、企業はあなたの能力をより深く理解することができます。具体的な成果とスキルを明確に示すことが重要です。
職務経歴書のポイントは、単に業務内容を羅列するのではなく、STAR法を活用して、それぞれの経験を効果的に伝えることです。
STAR法とは？
STAR法とは、状況（Situation）、課題（Task）、行動（Action）、結果（Result）の頭文字を取った手法です。それぞれの項目を具体的に記述することで、あなたの能力やスキルを客観的に示すことができます。
- Situation（状況）：どのような状況下で仕事に取り組んだのかを説明します。チーム状況や会社の状況、抱えていた問題などを具体的に記述しましょう。
- Task（課題）：どのような課題を解決する必要があったのかを明確に記述します。数値目標や具体的な課題を提示することで、あなたの貢献度を明確に示すことができます。
- Action（行動）：課題解決のためにどのような行動をとったのかを具体的に記述します。どのような方法を用い、どのような工夫をしたのかを詳細に説明しましょう。 行動の具体的なプロセスを記述することで、あなたのスキルや能力を効果的にアピールできます。
- Result（結果）：どのような結果を得ることができたのかを数値データなどを用いて具体的に記述します。目標達成率や売上向上額など、定量的なデータを示すことができれば、より説得力が増します。
職務経歴書の具体的な書き方
職務経歴書は、以下の項目を記載しましょう。
- 職務経歴：各職務における業務内容、役割、成果をSTAR法を用いて詳細に記述します。 単なる業務内容の羅列ではなく、あなたの貢献度を明確に示すことが重要です。
- スキル：業務を通して培ってきたスキルを具体的に記述します。例えば、プログラミングスキル、コミュニケーションスキル、問題解決能力など、具体的な例を挙げて説明しましょう。
- 自己PR：これまでの経験を踏まえ、今後のキャリアプランや企業への貢献意欲を明確に記述します。 企業の求める人物像と自身のスキルや経験を結びつけることが重要です。
成功事例：営業職の職務経歴書
例えば、営業職の職務経歴書では、以下のように記述できます。
Situation：前職では、新規顧客開拓が課題となっていました。既存顧客への営業活動が中心で、新規顧客獲得のノウハウが不足していました。
Task：年間100件の新規顧客獲得を目標に設定されました。
Action：新規顧客開拓のため、業界誌への広告掲載、展示会への参加、営業活動の効率化のためのCRMツールの導入を行いました。また、顧客ニーズを的確に把握するために、顧客とのコミュニケーションを重視し、ヒアリング時間を増やしました。
Result：目標を達成し、年間120件の新規顧客を獲得しました。売上高も前年比15%増加しました。
専門家の視点：採用担当者の意見
多くの採用担当者は、職務経歴書を重視しています。履歴書は応募者の基本情報を知るためのツールですが、職務経歴書は応募者の能力やスキルを評価するための重要な資料です。そのため、STAR法を用いて、具体的な成果を明確に示すことが重要です。 曖昧な表現ではなく、具体的な数字やデータを用いて、あなたの貢献度をアピールしましょう。
実践的なアドバイス
- 複数の職務経歴書を作成する：応募する企業によって、重視するスキルや経験が異なるため、企業ごとに職務経歴書を調整しましょう。
- 第三者に見てもらう：作成した職務経歴書は、友人やキャリアアドバイザーに見てもらい、客観的な意見を聞きましょう。
- 誤字脱字に注意する：誤字脱字は、あなたの印象を悪くする可能性があります。丁寧に校正を行いましょう。
- フォーマットにこだわる：見やすく、読みやすいフォーマットを選びましょう。Wordや専用のテンプレートを活用しましょう。
履歴書と職務経歴書は、あなたの能力を企業に伝えるための重要なツールです。それぞれの役割を理解し、効果的に活用することで、就職活動の成功に繋げましょう。