塾講師の残業問題、会社との交渉術とキャリアチェンジの可能性
塾講師の残業問題、会社との交渉術とキャリアチェンジの可能性
この記事では、塾講師として働くあなたが直面している時間外労働の問題と、そこから派生するキャリアに関する悩みに焦点を当てます。具体的には、残業代が出ない状況下での働き方、会社との交渉術、そして将来的なキャリアチェンジの可能性について、具体的なアドバイスを提供します。あなたの置かれた状況を詳細に分析し、法的側面、交渉術、そしてキャリアプランニングの視点から、具体的な解決策を提示します。
まず、あなたの抱える問題を整理するために、ご相談内容を詳しく見ていきましょう。
私はとある塾の塾長をしております。
小学生が主となるため、授業の時間は16時～20時となります。
ですので、私の勤務シフトは12時～20時の実働7時間（休憩1時間）が週5回、5時間勤務が週1回、休み1日の計40時間というシフトが組まれています。
先日、会社の役員から更に対象学年を広げるよう業務命令がありました。
中・高校生枠の拡張です。
16時～20時は既に授業が全て入ってしまっている為、行うとしたらそれ以降の時間となります。
（例えば20時～22時を拡張）
それに伴い、出勤シフトが14時～22時に変更する、と役員命令があったわけです。
現状、12時～16時の計4時間の中で掃除や授業準備、事務仕事、営業活動を行っております。
現状でも休憩時間は食事の30分しか取れていません。
それでも今のうちの生徒数が過去5年（私が教室長を引き継いでから）ある一定数以上維持出来てきたのは、この4時間の中に営業活動の時間を十分に取る事が出来ていたから、と考えています。
もし仮に14時出勤となった場合、16時からの授業まで2時間しかありません。
仮に休憩を1時間としたら、掃除と準備だけで残りの1時間の大半を使ってしまい、まともな営業活動が出来なくなることが容易に想像出来ます。
（更に言えば、遅出の日に関しては16時出勤16時授業開始という事になります）
（うちの教室にはスタッフは私とその役員の2名のみとなります）
（役員が授業準備や清掃を行う事はありません）
その点に関し、役員に質問したところ
「教室長なんだから自分に教室に責任を持つべき。必要だと思うなら早く来て営業すればいいだけの話だ」
と言われました。
（なお教室長という役職は名ばかりで、手取り20万程度の一般社員です）
また、うちの会社では残業代などは出ません。
例えば講習期に9時～22時で勤務しようと超過分は払われず、その他のイベントで朝5時～夜20時まで仕事をしても手当などは一切出ません。
つまり、14時出勤の所を早く出てこようがその分は全く出ない、という事です。
幸いな事にまだこの話は新年度からというお話なので今現時点では実施されてはいません。
もし仮に本当にこのような形にされたら、私はきっかり14時ないし16時（遅出）に出勤する心づもりでいます。
営業が出来ず生徒数が減ったとしても、それはそういうシフトにした会社の責任でありその点も予め指摘しております。いち教室長いち社員の責任ではないと私は思います。
と同時に、もし本格的に早く出勤して営業をしろ、と命令されたら過去の2年分も含めて残業代を請求するつもりでいます。その上できっちり支払われたならば早出をしても構わないと考えています。
質問をしたい内容というのは
「残業代を出さない（あるいは自主的に時間外に働いたんだろ？という名目で出さない）場合、社員としてはこの時間外労働を拒否する権利があるのかどうか？」
「（時間外での）営業をせず生徒数が減った場合、私が降格などという可能性もあるのか？」
「過去2年分の残業代を支払わなければ残業をしない、という交換条件を出せるのか？」
「私の言い分は社会人として甘いのか？それとも世間ではこういう会社が一般的なのか？」
「その他、本文を見ての感想など」
何でも構いません。
ご意見のほど、宜しくお願い致します。
なお、場合によっては転職を考えていますが、同業（塾）は他も似たり寄ったりと聞きます。
他業種の場合、私には専門分野の知識や技術は無いので無事転職できるかどうかにも不安があります。30歳です。
1. 時間外労働拒否の権利と法的側面
まず、時間外労働を拒否する権利についてですが、労働基準法では、原則として1日8時間、週40時間を超える労働をさせるためには、36協定の締結と、労働基準監督署への届け出が必要です。会社がこれらを行っていない場合、時間外労働を命じること自体が違法となる可能性があります。
あなたのケースでは、残業代が支払われないという状況も問題です。労働基準法では、時間外労働に対しては、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払うことが義務付けられています。もし、会社がこれを支払わない場合、未払い残業代を請求する権利があります。
あなたが「14時ないし16時（遅出）に出勤する心づもり」であることは、自身の労働条件を守るための有効な手段の一つです。しかし、会社が営業を強制し、その結果として生徒数が減少した場合、降格や減給といった措置が取られる可能性も否定できません。この点については、事前に弁護士などの専門家に相談し、法的アドバイスを得ておくことをお勧めします。
2. 会社との交渉術：残業代請求と労働条件改善
会社との交渉において、あなたの主張を正当化し、有利に進めるためには、いくつかのポイントがあります。
- 証拠の収集: タイムカードや業務日報、メールなど、あなたの労働時間を証明できる証拠を収集しましょう。
- 交渉の準備: 弁護士や労働問題に詳しい専門家と相談し、法的根拠に基づいた主張を準備しましょう。
- 交渉の進め方: 会社との交渉は、記録を残すために書面で行うことをお勧めします。内容証明郵便などを利用し、証拠を残しながら進めましょう。
- 残業代請求: 過去2年分の未払い残業代を請求することは、あなたの正当な権利です。ただし、時効があるため、早めに請求することが重要です。
- 労働条件の改善要求: 残業代の支払いだけでなく、労働時間の適正化、休憩時間の確保など、労働条件全体の改善を要求しましょう。
交渉が難航する場合は、労働組合や労働基準監督署に相談することも有効です。労働組合は、あなたの権利を守るために会社との交渉を支援してくれます。労働基準監督署は、労働基準法違反があった場合に、会社に対して是正勧告を行うことができます。
3. 降格の可能性と対策
会社が、営業活動の不足を理由に降格を検討する場合、その根拠を明確にする必要があります。もし、あなたの能力不足が原因ではなく、単に労働時間や人員配置の問題であるならば、不当な降格として争うことも可能です。
降格のリスクを軽減するためには、以下の対策を講じましょう。
- 業務内容の明確化: あなたの職務内容と責任範囲を明確にし、会社との間で認識の齟齬がないようにしましょう。
- 成果の可視化: 営業活動の成果をデータとして記録し、客観的に評価できるようにしましょう。
- 上司とのコミュニケーション: 定期的に上司と面談し、業務上の課題や改善点について話し合いましょう。
- 記録の保持: 会社とのやり取りや指示内容を記録し、証拠として残しておきましょう。
4. キャリアチェンジの可能性と準備
同業他社も似たり寄ったりであると感じている場合、キャリアチェンジも視野に入れることは賢明な判断です。30歳という年齢は、新たなキャリアを築く上で十分な時間があります。
キャリアチェンジを成功させるためには、以下のステップを踏みましょう。
- 自己分析: 自分の強みや弱み、興味のある分野、キャリアビジョンを明確にしましょう。
- 情報収集: 興味のある業界や職種について、情報収集を行いましょう。企業のウェブサイト、求人情報、業界の動向などを調べてみましょう。
- スキルアップ: 新しい職種に必要なスキルを習得するための学習や研修を受けましょう。
- 転職活動: 履歴書や職務経歴書を作成し、求人に応募しましょう。面接対策も行い、自己PRや志望動機をしっかりと伝えられるように準備しましょう。
- 専門家の活用: キャリアコンサルタントや転職エージェントに相談し、転職活動をサポートしてもらいましょう。
未経験の分野への転職には不安があるかもしれませんが、これまでの経験を活かせる職種も多くあります。例えば、塾講師としての経験は、教育業界だけでなく、人材育成や研修、カスタマーサポートなど、様々な職種で活かすことができます。また、営業活動で培ったコミュニケーション能力や問題解決能力も、多くの職種で求められるスキルです。
あなたの年齢と経験であれば、十分な可能性を秘めています。自己分析をしっかりと行い、自分の強みを活かせる職種を見つけ、積極的に行動することで、必ず新しいキャリアを切り開くことができるでしょう。
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5. 世間の一般的な状況とあなたの甘えについて
あなたの置かれている状況は、決して珍しいものではありません。残念ながら、残業代が支払われない、サービス残業が常態化しているといった企業は、日本社会に多く存在します。しかし、それが「一般的」だからといって、あなたが我慢しなければならないわけではありません。
あなたの「甘え」についてですが、私はそうは思いません。自分の権利を主張し、適正な労働条件を求めることは、社会人として当然のことです。むしろ、現状を放置し、不当な労働条件を受け入れることこそ、将来的に大きな問題を引き起こす可能性があります。
ただし、会社との交渉や転職活動においては、冷静さを保ち、感情的にならないことが重要です。客観的な視点を持ち、法的根拠に基づいた主張をすることで、より有利に交渉を進めることができます。
6. まとめ：未来への一歩を踏み出すために
今回の相談内容から、あなたは現在、労働条件の改善、降格のリスク、そしてキャリアチェンジという、複数の課題に直面していることがわかりました。これらの課題を解決するためには、
- 法的知識の習得: 労働基準法に関する知識を深め、自分の権利を理解しましょう。
- 交渉スキルの向上: 会社との交渉術を学び、自分の主張を効果的に伝えられるようにしましょう。
- キャリアプランの策定: 自分のキャリアビジョンを明確にし、将来的なキャリアチェンジの可能性を探りましょう。
これらのステップを踏むことで、あなたはより良い労働条件を手に入れ、将来的なキャリアの選択肢を広げることができます。困難な状況ではありますが、諦めずに、積極的に行動することで、必ず未来を切り開くことができるはずです。
最後に、あなたの今後のご活躍を心から応援しています。
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