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VM環境でのOracleインストール：ホストマシンとのファイル共有とLinuxスキルアップ術

VM環境でのOracleインストール：ホストマシンとのファイル共有とLinuxスキルアップ術

この記事では、VM（仮想マシン）環境でLinuxを使い、Oracleデータベースをインストールする際に直面する、ホストマシンとのファイル共有に関する課題に焦点を当てます。Linux初心者の方々が、Oracleのインストールを通じてLinuxの操作スキルを向上させ、キャリアアップを目指せるよう、具体的な解決策とステップを詳細に解説します。

VMの仮想マシンから、ホストマシンのファイル(またはドライブ)を見えるようにするには、または、ホストマシンのファイルをゲストマシンに移動するにはどうすればよいでしょうか？

LinuxとOracleの勉強をしようと、私有のノートPCにVMを入れ、ゲストOSとしてlinux(CentOS)をインストールしました。XWindowsはインストールされていないようです。できればLinuxを再インストールし直すことなく、CUI操作で、Oracleを仮想マシンのLinuxにインストールしたいと思ってます。(Linuxの操作に慣れるため) Oracleのインストーラは、ホストマシンでダウンロードして、ホストマシンに保存しているのですが、そのOracleのインストーラを、仮想マシンの方に移動させる方法がわかりません。

はじめに：VM環境でのLinuxとOracleインストールへの挑戦

Linux環境でのOracleデータベースのインストールは、ITエンジニアやデータベース管理者を目指す方々にとって、避けて通れない重要なステップです。特に、CUI（Character User Interface）環境での操作は、Linuxの基礎スキルを習得する上で不可欠です。しかし、VM（仮想マシン）環境でホストマシンとゲストOS（Linux）の間でファイルを共有する方法が分からず、Oracleのインストールにつまずくケースは少なくありません。

この記事では、VM環境でのファイル共有方法、CUI環境でのOracleインストールの手順、そしてLinuxスキルを効率的に向上させるための具体的な方法を解説します。Linux初心者の方でも、この記事を読めば、Oracleのインストールをスムーズに進め、Linuxのスキルを確実にレベルアップさせることができるでしょう。

1. ファイル共有の基本：VM環境でのファイル転送方法

VM環境でホストマシンとゲストOS間でファイルを共有する方法はいくつかあります。ここでは、代表的な方法として、

  • 共有フォルダの設定
  • SSH（Secure Shell）を利用したファイル転送
  • USBデバイスの利用

の3つを解説します。

1.1. 共有フォルダの設定

多くの仮想化ソフトウェア（VirtualBox、VMwareなど）は、ホストマシンとゲストOS間でファイルを共有するための機能を提供しています。この機能を利用すると、ホストマシン上のフォルダをゲストOSからアクセスできるようになります。

VirtualBoxの場合
  1. VirtualBoxマネージャーで、対象の仮想マシンを選択します。
  2. 「設定」をクリックし、「共有フォルダ」を選択します。
  3. 共有フォルダを追加し、ホストマシン上のフォルダパスと、ゲストOS内でのマウントポイント（フォルダ名）を指定します。
  4. ゲストOSを起動し、ターミナルを開きます。
  5. 以下のコマンドを実行して、共有フォルダをマウントします。
sudo mount -t vboxsf <共有フォルダ名> <マウントポイント>

例：

sudo mount -t vboxsf shared /mnt/shared

これで、ホストマシン上の「shared」フォルダが、ゲストOSの「/mnt/shared」としてアクセスできるようになります。

VMware Workstation Playerの場合
  1. VMware Workstation Playerで、対象の仮想マシンを選択します。
  2. 「仮想マシンの設定を編集」をクリックし、「オプション」タブを選択します。
  3. 「共有フォルダ」を選択し、「常に有効にする」にチェックを入れます。
  4. 共有するフォルダを追加し、ホストパスと、ゲストOS内でのマウントポイントを指定します。
  5. ゲストOSを起動し、ターミナルを開きます。
  6. 共有フォルダは、通常「/mnt/hgfs」以下にマウントされます。

例：

cd /mnt/hgfs
ls

上記コマンドで共有フォルダが表示されれば、アクセス可能です。

注意点：共有フォルダの設定には、仮想化ソフトウェアのゲストOS向けツール（VirtualBox Guest Additions、VMware Toolsなど）のインストールが必要な場合があります。これらのツールをインストールすることで、ファイル共有だけでなく、クリップボードの共有や画面サイズの自動調整など、様々な機能が利用できるようになります。

1.2. SSHを利用したファイル転送

SSH（Secure Shell）は、安全な通信路を確立し、リモートマシンにアクセスするためのプロトコルです。SSHを利用して、ホストマシンとゲストOS間でファイルを転送することができます。SSHは、CUI環境での操作に慣れるためにも非常に有効な手段です。

手順
  1. ホストマシンとゲストOSの両方で、SSHサーバーが起動していることを確認します。
    • Linuxの場合、通常はOpenSSHがインストールされています。インストールされていない場合は、以下のコマンドでインストールします。
    sudo apt update
sudo apt install openssh-server
    • Windowsの場合、OpenSSHサーバーをインストールするか、PuTTYなどのSSHクライアントを使用します。
  2. ゲストOSのIPアドレスを確認します。 
    ifconfig
  3. ホストマシンから、scpコマンド（Secure Copy）を使用してファイルを転送します。
scp <ローカルのファイルパス> <ユーザー名@ゲストOSのIPアドレス>:<転送先のパス>

例：

scp /path/to/oracle.zip user@192.168.1.100:/home/user/

このコマンドを実行すると、ホストマシンの「/path/to/oracle.zip」ファイルが、ゲストOSの「/home/user/」に転送されます。パスワードの入力を求められるので、ゲストOSのユーザーのパスワードを入力します。

利点：SSHは、セキュリティが高く、CUI環境での操作に慣れることができます。また、ファイル転送だけでなく、リモートでのコマンド実行も可能です。

1.3. USBデバイスの利用

VM環境でUSBデバイスをゲストOSに接続し、ファイル転送を行うことも可能です。これは、特に大容量のファイルを転送する場合や、共有フォルダの設定がうまくいかない場合に有効です。

手順
  1. 仮想化ソフトウェアの設定で、USBデバイスをゲストOSに接続できるように設定します。
    • VirtualBoxの場合、「デバイス」メニューから「USB」を選択し、接続したいUSBデバイスを選択します。
    • VMware Workstation Playerの場合、「仮想マシン」メニューから「リムーバブルデバイス」を選択し、接続したいUSBデバイスを選択します。
  2. ゲストOSを起動し、USBデバイスが認識されていることを確認します。
    • Linuxの場合、通常は「/media」以下にマウントされます。
  3. USBデバイスから、ゲストOSにファイルをコピーします。

注意点：USBデバイスを使用するには、ホストマシンとゲストOSの両方でUSBデバイスが認識されている必要があります。また、USBデバイスのフォーマット形式によっては、ゲストOSで対応していない場合があります。

2. Oracleデータベースのインストール：CUI環境での実践

VM環境でファイル共有の設定が完了したら、いよいよOracleデータベースのインストールです。ここでは、CUI環境でのOracleインストールの手順を解説します。CUI環境での操作は、Linuxの基礎スキルを習得する上で非常に重要です。

2.1. 事前準備

  1. Oracleのインストーラをダウンロードします。Oracleの公式サイトから、Linux用のインストーラをダウンロードしてください。
  2. ダウンロードしたインストーラを、先ほど説明した方法（共有フォルダ、SSH、USBデバイスなど）で、ゲストOSに転送します。
  3. Oracleのインストールに必要なパッケージをインストールします。 
    sudo yum install -y oracle-database-preinstall-19c

    ※CentOS 7の場合。CentOS 8以降の場合は、dnfコマンドを使用します。

  4. Oracleのインストールに必要なユーザーとグループを作成します。 
    sudo groupadd oinstall
sudo groupadd dba
sudo useradd -g oinstall -G dba oracle
sudo passwd oracle
  5. Oracleのインストールディレクトリを作成し、所有者を変更します。 
    sudo mkdir -p /u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1
sudo chown -R oracle:oinstall /u01

2.2. インストール手順

  1. インストーラを展開します。 
    unzip <インストーラファイル名>.zip
  2. インストーラを実行します。 
    ./runInstaller

    GUIインストーラが起動します。X Window Systemがインストールされていない場合は、VNCなどを使用してGUI環境を構築する必要があります。CUI環境でインストールする場合は、レスポンスファイルを作成して、サイレントインストールを行います。

  3. レスポンスファイルを作成します。 
    ./runInstaller -silent -createConfig -responseFile <レスポンスファイル名>

    レスポンスファイルは、Oracleのインストール設定を記述したファイルです。このファイルを編集することで、サイレントインストールをカスタマイズできます。

  4. サイレントインストールを実行します。 
    ./runInstaller -silent -responseFile <レスポンスファイル名>
  5. インストールが完了したら、環境変数を設定します。 
    export ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1
export ORACLE_SID=ORCL
export PATH=$ORACLE_HOME/bin:$PATH

    これらの環境変数は、Oracleのコマンドを実行する際に必要になります。~/.bashrcなどのファイルに記述して、永続的に設定することをおすすめします。

  6. データベースを作成します。 
    sqlplus / as sysdba
CREATE DATABASE <データベース名>

注意点：Oracleのインストールには、多くの依存関係があります。事前に必要なパッケージをインストールし、適切なユーザー権限を設定することが重要です。また、レスポンスファイルを使用することで、インストールを自動化し、効率的に行うことができます。

3. Linuxスキルアップのための実践的な学習方法

Oracleのインストールを通じてLinuxスキルを向上させるためには、実践的な学習が不可欠です。ここでは、Linuxスキルを効果的に向上させるための具体的な学習方法を紹介します。

3.1. コマンドライン操作の習得

Linuxの操作は、コマンドライン（CUI）が基本です。コマンドライン操作に慣れることで、Linuxの深い理解につながります。

  • 基本的なコマンドの習得：ls, cd, pwd, mkdir, rm, cp, mv, cat, less, grep, findなど、基本的なコマンドの使い方を理解し、実際に手を動かして試してみましょう。
  • シェルスクリプトの作成：シェルスクリプトを作成することで、コマンドの組み合わせや、繰り返し処理を自動化できます。簡単なスクリプトから始め、徐々に複雑なスクリプトに挑戦してみましょう。
  • コマンドのオプション：各コマンドには、様々なオプションがあります。manコマンドを使用して、コマンドのヘルプを参照し、オプションの使い方を理解しましょう。

3.2. テキストエディタの活用

Linux環境では、テキストエディタが非常に重要です。

  • vi/vimの習得：vi/vimは、Linuxで広く利用されているテキストエディタです。基本的な操作方法を習得し、設定ファイルの編集などに活用しましょう。
  • nanoの活用：nanoは、vi/vimよりも使いやすいテキストエディタです。vi/vimに慣れない場合は、nanoから始めても良いでしょう。

3.3. ネットワークの知識

Linux環境では、ネットワークの設定やトラブルシューティングが頻繁に発生します。

  • IPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイ：ネットワークの基本的な概念を理解しましょう。
  • ping, traceroute, netstat, ifconfig：これらのコマンドを使用して、ネットワークの状態を確認し、トラブルシューティングを行いましょう。
  • SSHの設定：SSHの設定を理解し、安全なリモートアクセスを確立しましょう。

3.4. ファイルシステムの理解

Linuxのファイルシステムは、Windowsとは大きく異なります。

  • ディレクトリ構造：/、/home、/etc、/varなど、主要なディレクトリの役割を理解しましょう。
  • ファイルのパーミッション：ファイルの所有者、グループ、パーミッションについて理解し、適切なアクセス権を設定しましょう。
  • マウント：ファイルシステムをマウントする方法を理解し、USBデバイスやネットワークドライブなどを利用しましょう。

3.5. 実践的な演習

理論だけでなく、実践的な演習を通じてスキルを向上させましょう。

  • Oracleのインストール：Oracleのインストールを通じて、Linuxの操作スキルを実践的に習得しましょう。
  • Webサーバーの構築：ApacheやNginxなどのWebサーバーを構築し、Webアプリケーションをデプロイしてみましょう。
  • データベースの運用：MySQLやPostgreSQLなどのデータベースをインストールし、基本的な操作を習得しましょう。

4. トラブルシューティングとよくある問題

VM環境でのOracleインストールやLinuxの操作では、様々な問題が発生することがあります。ここでは、よくある問題とその解決策を紹介します。

4.1. ファイル共有がうまくいかない

  • 原因：共有フォルダの設定ミス、ゲストOS向けツールの未インストール、ネットワーク設定の問題など。
  • 解決策：
    • 共有フォルダの設定を再確認し、正しいフォルダパスとマウントポイントが指定されているか確認します。
    • ゲストOS向けツール（VirtualBox Guest Additions、VMware Toolsなど）をインストールします。
    • ネットワーク設定を確認し、ホストマシンとゲストOS間で通信できることを確認します。

4.2. SSH接続ができない

  • 原因：SSHサーバーが起動していない、ファイアウォールの設定、IPアドレスの間違いなど。
  • 解決策：
    • SSHサーバーが起動していることを確認します。
    • ファイアウォールの設定を確認し、SSHのポート（通常は22番）が許可されていることを確認します。
    • IPアドレスを確認し、正しいIPアドレスを指定して接続します。

4.3. 権限の問題

  • 原因：ファイルの所有者やパーミッションが正しく設定されていない。
  • 解決策：
    • ファイルの所有者とグループを確認し、必要な権限が付与されているか確認します。
    • chmodコマンドを使用して、ファイルのパーミッションを変更します。
    • chownコマンドを使用して、ファイルの所有者を変更します。

4.4. パッケージの依存関係の問題

  • 原因：必要なパッケージがインストールされていない、パッケージのバージョンが古いなど。
  • 解決策：
    • エラーメッセージを確認し、不足しているパッケージをインストールします。
    • パッケージのバージョンを確認し、必要に応じてアップグレードします。
    • パッケージマネージャー（yum、aptなど）を使用して、依存関係を解決します。

5. キャリアアップとLinuxスキル

Linuxスキルは、ITエンジニアとしてのキャリアアップに非常に重要です。Oracleデータベースのインストールを通じてLinuxスキルを習得することは、以下のようなメリットがあります。

  • データベースエンジニアへの道：Oracleデータベースの知識とLinuxスキルを組み合わせることで、データベースエンジニアとしてのキャリアを築くことができます。
  • インフラエンジニアへの道：Linuxの知識は、サーバーの構築や運用に不可欠です。インフラエンジニアとして、クラウド環境やオンプレミス環境でのサーバー管理に携わることができます。
  • DevOpsエンジニアへの道：Linuxスキルは、DevOpsエンジニアにとって必須のスキルです。自動化ツールやCI/CDパイプラインの構築に貢献できます。
  • 年収アップ：Linuxスキルを持つITエンジニアは、需要が高く、高い年収を得られる傾向があります。

Linuxスキルを向上させることで、キャリアの選択肢が広がり、より高いレベルの仕事に挑戦できるようになります。積極的にLinuxの学習に取り組み、自身のキャリアアップを目指しましょう。

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まとめ：VM環境でのLinuxとOracleインストールを成功させるために

この記事では、VM環境でのOracleデータベースのインストールにおけるファイル共有の方法、CUI環境でのインストール手順、そしてLinuxスキルを向上させるための学習方法について解説しました。Linux初心者の方でも、この記事で紹介した方法を実践することで、Oracleのインストールをスムーズに進め、Linuxのスキルを確実にレベルアップさせることができます。

重要なポイントをまとめます。

  • ファイル共有の方法：共有フォルダ、SSH、USBデバイスなど、様々な方法を理解し、状況に応じて使い分ける。
  • CUI環境での操作：コマンドライン操作に慣れ、Linuxの基礎スキルを習得する。
  • 実践的な学習：Oracleのインストールを通じて、実践的なLinuxスキルを習得する。
  • トラブルシューティング：よくある問題とその解決策を理解し、問題解決能力を向上させる。
  • キャリアアップ：Linuxスキルを習得し、ITエンジニアとしてのキャリアアップを目指す。

Linuxの学習は、一朝一夕にできるものではありません。継続的な学習と実践を通じて、Linuxスキルを向上させることが重要です。この記事が、あなたのLinux学習の一助となれば幸いです。頑張ってください！

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