Access2003レポートでテキストの表示/非表示をフィールドのデータで自動選択したい！VBA初心者でもできる解決策を徹底解説

この記事では、Access2003のレポートで、特定の条件に基づいてテキストボックスの表示/非表示を切り替える方法について、初心者の方にも分かりやすく解説します。VBA（Visual Basic for Applications）の知識がなくても、手順を踏めば実現可能です。見積書作成の例を参考に、具体的な方法と、より高度なカスタマイズのためのヒントをご紹介します。

始めて利用します。

HowTo本を見ながらMS Access2003で見積書を作成している初心者です。

金額を入れるTable「見積もり」と、得意先毎の手数料を登録した「見積もり仕様」を共通フィールド「仕様識別ID」でリンクしています。

２つのテーブルから作ったクエリを基にしたレポート「見積書」で、テーブル「見積もり仕様」のフィールド「お届け手数料」を表示していますが、「見積もり仕様」のフィールド「お届け要否」が「No」の場合は「お届け手数料」そのものをレポートに印字しない様に設定したいのです。ネットを検索するとVBAで記述する似たような用件がいくつかヒットするのですが、そもそもVBAというものを勉強したことが無く些細な違いでうまく適用する事ができません。どんな記述を何処にすれば良いのか、どなたかご教示頂けないでしょうか。

よろしくお願い致します。

補足hatena1989様

回答ありがとうごいます。すぐに確認できず失礼しました。そういう使い方があるんですね、勉強になります。

説明下手ですみません、実はもう少し贅沢な事を望んでいまして、「お届け要否」がNoの場合は、レポートのラベルを含むテキストボックス「お届け手数料」の存在そのものを非表示にしたいのです。如何でしょうか。

解決策の概要

Access2003のレポートで、特定の条件に基づいてテキストボックスの表示/非表示を切り替えるには、VBAを使用する方法が一般的です。しかし、VBA初心者の方でも、いくつかの簡単な手順を踏むことで、この機能を実装できます。ここでは、具体的な手順と、その応用例を解説します。

ステップ1：レポートのデザインビューを開く

まず、変更したいレポートをデザインビューで開きます。レポートナビゲーションウィンドウで、対象のレポートを右クリックし、「デザインビュー」を選択します。

ステップ2：テキストボックスのプロパティ設定

非表示にしたいテキストボックス（「お届け手数料」のテキストボックスとラベル）を選択し、プロパティシートを開きます。プロパティシートが表示されていない場合は、デザインタブの「プロパティシート」をクリックして表示させてください。

ステップ3：表示条件の設定（VBAを使用）

プロパティシートの「イベント」タブをクリックし、「On Format」イベントを選択します。右側の「…」ボタンをクリックして、コードビルダーを開きます。

コードビルダーが開いたら、以下のVBAコードを記述します。


Private Sub Detail_Format(Cancel As Integer, FormatCount As Integer)
    Dim お届け要否 As String

    ' テーブル「見積もり仕様」の「お届け要否」フィールドの値を取得
    お届け要否 = Me![お届け要否]

    ' 「お届け要否」が「No」の場合、テキストボックスを非表示にする
    If お届け要否 = "No" Then
        Me![お届け手数料].Visible = False ' テキストボックス「お届け手数料」
        Me![お届け手数料_ラベル].Visible = False ' ラベル
    Else
        Me![お届け手数料].Visible = True ' テキストボックス「お届け手数料」
        Me![お届け手数料_ラベル].Visible = True ' ラベル
    End If
End Sub

このコードでは、以下の処理を行っています。

Dim お届け要否 As String: 変数「お届け要否」を文字列型として宣言します。
お届け要否 = Me![お届け要否]: レポートのデータソースから「お届け要否」フィールドの値を取得し、変数に代入します。この部分を、実際のテーブル名とフィールド名に合わせて修正してください。
If お届け要否 = "No" Then: 「お届け要否」の値が「No」の場合の処理を開始します。
Me![お届け手数料].Visible = False: テキストボックス「お届け手数料」の表示プロパティをFalse（非表示）に設定します。
Me![お届け手数料_ラベル].Visible = False: ラベルの表示プロパティをFalse（非表示）に設定します。
Else: 「お届け要否」の値が「No」以外の場合の処理を開始します。
Me![お届け手数料].Visible = True: テキストボックス「お届け手数料」の表示プロパティをTrue（表示）に設定します。
Me![お届け手数料_ラベル].Visible = True: ラベルの表示プロパティをTrue（表示）に設定します。
End If: If文を終了します。

コードを記述したら、コードビルダーを閉じます。

ステップ4：レポートの確認

レポートをレポートビューまたは印刷プレビューで表示し、正しくテキストボックスが表示/非表示されるか確認します。データが正しく表示されない場合は、コード内のフィールド名やテーブル名が正しいか確認してください。

応用例：複数の条件による表示/非表示

上記のコードを応用することで、複数の条件に基づいてテキストボックスの表示/非表示を切り替えることができます。例えば、「お届け要否」が「No」の場合だけでなく、「金額」が0円の場合にも非表示にしたい場合は、以下のようにコードを修正します。


Private Sub Detail_Format(Cancel As Integer, FormatCount As Integer)
    Dim お届け要否 As String
    Dim 金額 As Currency

    お届け要否 = Me![お届け要否]
    金額 = Me![金額]

    If お届け要否 = "No" Or 金額 = 0 Then
        Me![お届け手数料].Visible = False
        Me![お届け手数料_ラベル].Visible = False
    Else
        Me![お届け手数料].Visible = True
        Me![お届け手数料_ラベル].Visible = True
    End If
End Sub

この例では、Or演算子を使用して、「お届け要否」が「No」または「金額」が0の場合に、テキストボックスを非表示にしています。

応用例：テキストボックスの内容を変更する

非表示にするだけでなく、条件によってテキストボックスの内容を変更することも可能です。例えば、「お届け要否」が「No」の場合に、「お届け手数料」のテキストボックスに「無料」と表示したい場合は、以下のようにコードを修正します。


Private Sub Detail_Format(Cancel As Integer, FormatCount As Integer)
    Dim お届け要否 As String

    お届け要否 = Me![お届け要否]

    If お届け要否 = "No" Then
        Me![お届け手数料].Visible = True ' 表示
        Me![お届け手数料].Value = "無料" ' 値を変更
        Me![お届け手数料_ラベル].Visible = True ' ラベルを表示
    Else
        Me![お届け手数料].Visible = True ' 表示
        Me![お届け手数料].Value = Me![お届け手数料] ' 元の値を表示
        Me![お届け手数料_ラベル].Visible = True ' ラベルを表示
    End If
End Sub

この例では、Me![お届け手数料].Value = "無料"でテキストボックスの内容を変更しています。

VBAの基礎知識

VBAは、Visual Basic for Applicationsの略で、Microsoft Office製品で利用できるプログラミング言語です。Accessだけでなく、ExcelやWordなど、他のOffice製品でも利用できます。VBAを学ぶことで、Office製品の機能をより高度に活用できるようになります。

VBAの基本的な概念は以下の通りです。

変数: データを格納するための入れ物です。データ型（文字列、数値、日付など）を指定して使用します。
プロシージャ: 一連の処理をまとめたものです。イベントプロシージャ（特定のイベントが発生したときに実行される）と、標準モジュール（自由に呼び出して実行できる）があります。
オブジェクト: Accessのデータベース内の要素（テーブル、クエリ、フォーム、レポートなど）を指します。オブジェクトのプロパティ（属性）やメソッド（操作）を操作することで、様々な処理を実行できます。
イベント: オブジェクトに対して発生する出来事です（例：フォームが開かれる、ボタンがクリックされるなど）。イベントが発生したときに実行されるコードを記述できます。

VBAの学習には、Microsoftの公式ドキュメントや、書籍、オンラインの学習サイトなどが役立ちます。最初は難しく感じるかもしれませんが、少しずつ理解を深めていくことで、様々なことができるようになります。

トラブルシューティング

VBAコードが正しく動作しない場合は、以下の点を確認してください。

フィールド名、テーブル名のスペルミス: コード内のフィールド名やテーブル名が、データベース内の実際の名前と一致しているか確認してください。
データ型の不一致: 変数のデータ型と、実際に格納されるデータの型が一致しているか確認してください。
構文エラー: コードに誤字脱字がないか、文法的に正しいか確認してください。VBAエディタは、構文エラーがある場合にエラーメッセージを表示します。
イベントの選択: 正しいイベント（例：Detail_Format）を選択しているか確認してください。
レポートの再表示: レポートを再表示することで、変更が反映される場合があります。

Access2003の限界と、より高度な機能について

Access2003は、Microsoft Officeの古いバージョンであり、最新のバージョンと比較すると、いくつかの機能的な制限があります。例えば、Access2003では、Webアプリケーションの開発や、クラウドサービスとの連携が限定的です。また、セキュリティ面でも、最新のバージョンの方が強化されています。

より高度な機能を利用したい場合は、Accessの最新バージョンへの移行を検討することをおすすめします。最新バージョンでは、以下のような機能が利用できます。

Webアプリケーションの開発: Webブラウザ上で動作するアプリケーションを開発できます。
クラウドサービスとの連携: Microsoft 365などのクラウドサービスと連携し、データの共有やバックアップを容易に行えます。
セキュリティの強化: 最新のセキュリティ機能により、データの保護を強化できます。
ユーザーインターフェースの改善: より使いやすく、洗練されたユーザーインターフェースが提供されています。

Accessの最新バージョンへの移行は、データベースの機能拡張だけでなく、セキュリティの向上にもつながります。もし、Accessの最新バージョンへの移行や、より高度なデータベースの構築についてご興味があれば、専門家への相談も検討してみてください。

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まとめ

この記事では、Access2003のレポートで、特定の条件に基づいてテキストボックスの表示/非表示を切り替える方法について解説しました。VBA初心者の方でも、手順を踏むことで、この機能を実装できます。見積書作成の例を参考に、具体的な方法と、応用例をご紹介しました。VBAの基礎知識を学び、応用することで、Accessの機能をさらに活用できるようになります。ぜひ、この記事を参考に、Accessのスキルアップを目指してください。

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